放っておいても大丈夫? 〜子宮頸管ポリープ/子宮内膜ポリープとは〜

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

「ポリープ」という言葉は、よく耳にすることがあると思いますが、子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープとはどんなものでしょう。どんな症状があるの?悪性ではないというけど、放っておいても大丈夫?
そんな疑問に、産婦人科医の立場から答えます。

ポリープって何?

ポリープは『皮膚・粘膜などの面から突出し、茎をもつ卵球状の腫瘤(広辞苑第6版より)』と定義されます。

胃や大腸にもできますが、子宮の入り口部分(頸部や腟部)にできたものを子宮頸管ポリープ、子宮の奥の方(内膜)にできたものを子宮内膜ポリープと言います。子宮頸管ポリープは検診の時などに、子宮内膜ポリープは超音波検査で偶然見つかることがあります。

不正出血が起きたり、不妊症の原因になることも

子宮頸管ポリープ、子宮内膜ポリープに共通する症状は不正出血です。
また、子宮内膜ポリープは、受精卵が子宮内膜に着床するのを妨げて、不妊症の原因になることもあります。

がんでないことの確認のためには切除が必要

子宮頸管ポリープと思っていても、ごく稀に「子宮頸がん」のこともあるので、原則的には切除して病理検査(顕微鏡で観察)を行います。多くは外来で簡単に切除できますが、ポリープが大きい場合は電気メスでの切除が必要になることもあります。

子宮内膜ポリープで不正出血や不妊症の原因と考えられたり、10 mmを超えるものでは、切除が必要です。基本的に麻酔を併用しての手術となります。

切除した後に病理検査を行い、ポリープかどうかの診断をします。ポリープであれば命に関わることはありませんが、再発することもあるので、定期的な検診がお勧めです。

参考文献
・女性医学ガイドブック 思春期・性成熟期編 2016年度版 日本女性医学学会 編 金原出版株式会社
・婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック 第2版学研


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

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(産婦人科医 櫻井 学

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