子宮内膜症、どんな症状が疑うサイン?診断方法は?

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

10代〜40代女性の約1割が患っていると考えられている「子宮内膜症」という病気をご存じでしょうか。日々の生活や人生に大きな負担を加えかねない子宮内膜症について知っておきましょう。

子宮内膜症の代表的な症状は「痛み」と「不妊」

子宮内膜症は、子宮の内側(内腔)にある「子宮内膜」という組織が骨盤内の別の部位に発生してしまう病気です。
毎月の月経のたびに、骨盤内の様々な部位で炎症や出血が起こってしまい、痛みを引き起こします。

最も代表的な症状は月経痛の増強で、「痛み止めを飲んでも辛い月経痛」や「年々ひどくなる月経痛」は子宮内膜症を疑うサインです。なお、月経痛以外にも腰痛や性交痛、排便痛などもみられます。

また、炎症によって骨盤内の様々な部位に癒着(ゆちゃく)が生じ、臓器どうしがくっついてしまいます。これが卵管や卵巣の周囲に起こると、不妊に繋がってしまいます。子宮内膜症と診断された女性の約半数が不妊だというデータもあります。

診断のために内診、超音波検査、血液検査などを組み合わせて実施します

それでは、月経痛が辛い場合に産婦人科を受診した場合、どのように子宮内膜症を診断するのでしょうか。

診察・検査として以下のようなものがあり、これらを組み合わせて臨床診断に繋げます。

①問診(具体的な症状、辛さ、持続期間など)
②内診(子宮の大きさや動き、痛みの有無など)
③経腟超音波検査(子宮と卵巣の動き、卵巣の腫れの有無など)
④血液検査(腫瘍マーカーをチェックする場合があります)

なお、確定診断のためには手術によって実際に腫れている部分などの組織採取が必要ですが、通常は上記の診察や検査の結果を組み合わせて臨床的に診断し、治療方針を検討します。

早期発見が非常に重要です

月経困難症(月経時に辛い症状が生じる状態)を持っている女性は、子宮内膜症になるリスクが高いことがわかっています。
一方で、低用量ピルを早いうちから服用することで、子宮内膜症の予防に繋がることもわかってきています。

思い当たる症状があったら我慢せずに産婦人科を受診して、現在の状態と治療の必要性を早めに相談することがとても重要だと言えるでしょう。

こちらのウェブサイト(女性の健康推進室 ヘルスケアラボ)では、子宮内膜症の疑いがあるかどうか簡便にチェックできますので、心配な方は受診前に活用してみるのも良いかもしれません。


*参考文献
女性の健康推進室. ヘルスケアラボ. 子宮内膜症.
Human+. 若い女性のトラブル②子宮内膜症.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 重見大介

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