向き癖で頭の形が心配…そんな時の対処法をお伝えします!

子どもが同じ方向ばかり向いて寝るので、頭の形が歪んでいる…このまま放っておいてもいいの?何かできる対策があれば知りたい!というお悩みをよく伺います。今回は、向き癖とその対策、病院受診の目安について説明します。

向き癖は通称!頭の変形が軽度の場合や機能面での心配がない場合あまり気にしなくてOK

「向き癖」は一般的によく使われる言葉ですが、実は医学用語ではありません。巷では、自分で首を動かすことができない低月齢の赤ちゃんが左右どちらかの方向ばかり向いて寝ている、という場合に「うちの子は向き癖があって…」という風に使われるようです。

この向き癖について、頭の形を心配する方はとても多くいらっしゃいます。確かに、頭蓋骨が同じ方向から(ここでは床や布団など下側から)圧を受け続けると変形することがあります。また、頭の形は生まれつき歪んでいることもあれば、出産時に産道を通るときの圧力で歪むこともあり、そういった影響で生後向き癖がつきやすくなることがあるようです。他にも、斜頚(しゃけい)と呼ばれる筋肉の強張りによって向き癖が起こることもあります。

頭の変形については、軽度の場合や機能面(運動能力や知能発達など)での心配がない場合には、あまり気にしなくてOKです。成長するにつれ寝ている時間は短くなるので、自然と歪みが軽快していく場合もあります。

自宅でできる向き癖対策〜向き癖と反対側への刺激や、安全を確保した上でのうつぶせ寝タイム〜

頭の形が軽度変形している場合、姿勢の変化によって自然に頭の形が変わることもあります。ご自宅での対策として、次のような工夫をしてみましょう。

・できるだけ向き癖と反対側を向かせる(クッションや丸めたタオル、枕の活用)
・向き癖と反対側に家族の食卓や光源(電気や窓)、おもちゃなどの刺激がくるようにする
・授乳の際、向き癖と反対側に傾け抱っこして飲ませる
・保護者の方が見守っている中でうつぶせ寝タイムを設ける
(ただし、SIDS [乳幼児突然死症候群] を防ぐため赤ちゃんがうつぶせのまま寝てしまわないよう注意してください。)

SIDSについてはこちらのジャーナル(「赤ちゃんの安全な睡眠環境〜心地よい眠りとSIDSや窒息予防のために〜」)も参考になさってくださいね。

頭の歪みが重度な場合や機能面での心配がある場合は、早めに専門医や小児科医に相談を

ここまで、頭の歪みが軽度の場合はあまり気にしなくてOKと説明してきました。しかし、歪みの軽度/重度の判断や発達面の評価を保護者の方だけで行うのは難しいことが多いかもしれません。もし頭の形が心配な時には、小児科を受診するか、乳幼児健診時にぜひ小児科医へ相談してみてくださいね。また、頭の形の専門外来(形成外科や脳神経外科)に相談するのも一案です。

特に、なかには頭蓋骨早期癒合症などの病気が隠れていることもあります。これは、正常より早い段階で頭蓋骨のつなぎ目がくっついてしまう病気で、手術が必要です。他にも、変形が重度の場合には、美容的な観点からヘルメットを使用した治療(自費・保険適応外)を行う場合があり、その場合生後6ヶ月までなど早い時期に開始されます(ただし、小児科医の中でも全員が積極的に勧めている対処法ではないため慎重に検討した方が良いでしょう)。

もし頭の形が気になったときには、まず病気が隠れていないかを小児科医や専門医で診断してもらうことが大切です。
こちらのジャーナル(「赤ちゃんの頭の形が気になったら? 〜頭の変形は専門医へ〜」)も参考になさってくださいね。

向き癖が気になる時には、向き癖と反対側にお子さんにとって刺激になるものを持ってきたり、うつぶせ寝タイムを設けたりしてみましょう。変形が重度の場合や機能面での心配がある時には、早めに小児科医や専門医への相談を。

*参考文献
・Linz C, Kunz F, Böhm H, Schweitzer T. Positional Skull Deformities. Dtsch Arztebl Int. 2017 Aug 7;114(31-32):535-542.

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

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(助産師 中村早希