公開日: 2026年8月21日
「何度言っても聞かない」「急にひっくり返って泣き叫ぶ」…。育児は予測不能なトラブルの連続ですよね。つい感情的に「もう!」と怒ってしまい、後で自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。
そんなとき、私たち保護者のイライラを冷静な分析に変え、対応のヒントを見つけるための 強力なツールがあります。応用行動分析学(ABA)を用いたペアレントトレーニング(ペアトレ)の基本である「ABC分析」です。
行動を「きっかけ・行動・結果」の3つのパーツに分けてみよう

ABC分析とは、子どもの行動を単体で見るのではなく、その前後にある状況とセットで観察する方法です。ABCは、以下の3つの頭文字をとっています。
- A:Antecedent(きっかけ) 行動が起きる直前の状況。誰がどこで何をしていたか。
- B:Behavior(行動) 子どもの行動(客観的に見て分かる動き。例えば、泣く、座る、走るなど)。
- C:Consequence(結果) 行動の直後に起きたこと。周りの反応や、状況の変化。
例えば、スーパーでお菓子を欲しがって泣き叫ぶという場面をABCで分けるとこうなります。
A(きっかけ): 夕飯前に、親子でスーパーのお菓子売り場を通った
B(行動): 子どもが床にひっくり返って泣き叫んだ
C(結果):親が根負けして、子どもにお菓子を買い与えた
このように分けることで、「子どもがワガママだから」などお子さんの性格の問題ではなく、「空腹でお菓子売り場を通る(A)」と「泣き叫ぶ(B)」が起き、その結果「お菓子が手に入った(C)」という一連の流れとして捉えることができるようになります。
その行動で何を得ている?「4つの理由」を推測する

お子さんが特定の行動(B)を繰り返すのには、必ず理由があります。応用行動分析学では、その理由を大きく4つに分類します。
- 要求: お菓子が欲しい、公園で遊びたい
- 注目: ママ・パパに見てほしい、こっちを向いてほしい
- 逃避: 歯磨きをしたくない、お片付けから逃げたい
- 感覚(自己刺激): 手をヒラヒラさせる(気持ちいい)、体を揺らす(落ち着く)
先ほどのスーパーの例は、お菓子が欲しかったので「要求」ですね。もし、ママが電話をしているときにわざとイタズラをするなら、それは「注目」かもしれません。
「なぜ?」という理由が見えてくると、対策が考えやすくなります。
まずはメモに「今日のABC」を書いてみる

ABC「分析」と聞くと難しそうですが、完璧に分析したり記録したりする必要はありません。まずはお子さんの困った行動があったとき、スマホのメモに「A・B・C」をサッと書き出してみるだけで十分です。
- A:パパが夕飯を作っているとき
- B:子どもが壁に落書きした
- C:パパが駆けつけ、怒った
この場合、お子さんはパパの注目を集めたくて落書きをしたのかもしれません(注目)。お絵描きがしたかったけど画用紙が見つからなかったり、「壁に描いてみたい!」と思っていたなら「要求」かもしれませんね。他に、例えば夕飯前のお片付けを頼まれそれが嫌だったとしたら「逃避」、壁に描くときのゴリゴリとした感覚に快感を覚えてやめられなくなっているなら「感覚(自己刺激)」かもしれません。
このようにメモを繰り返すと、お子さんの行動パターンが見えてきます。最初から理由を正確に当てる必要はありません。「注目かな?」「要求かな?」と予想しながら観察を続けることで、 客観的に何が起こっているか考えるきっかけができます。
お子さんの行動をABC分析で読み解いていくと、お子さんが言葉でうまく伝えられない「困りごと」や「願い」が見えてくることがあります。
下記の記事では、ABC分析を行った後の具体的な対策もご紹介していますので、ぜひご覧になってくださいね。
・子どもの困った行動をどうにかしたい!ペアトレの基本戦略その2
・ごほうびの種類や、効果的な渡し方を考えよう!ペアトレの基本戦略その3
<参考文献>
・厚生労働省. ペアレント・トレーニング実践ガイドブック
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインでご相談ください。




