お腹の赤ちゃんの「首の後ろのむくみ」って?

公開日: 2026年8月21日

妊婦健診で、赤ちゃんの首の後ろにむくみがあると言われたら、むくみ?異常なの?異常じゃないの?と心配になると思います。

正しい知識をもって適切に対応しましょう。

首の後ろのむくみ(NT肥厚)とは

NT(Nuchal Translucency)は胎児の首の後ろに見えるリンパ液が溜まったスペースのことを言います。

エコーでは、液体が貯留していると画像が黒く透けて見えるため、日本語では「後頸部透亮像(こうけいぶとうりょうぞう)」と呼びます。

このNTのスペースは、妊娠初期には全ての赤ちゃんに存在します。

つまり、NTは「ある」「ない」というものではなく、全員に存在し、問題となるのはこのNTがどれくらい厚み(肥厚)があるか?という点になります。

一般に2.5〜3.0mm以上厚みがあった場合、NTの肥厚と評価されます。肥厚があると、肥厚のない赤ちゃんに比べて、染色体異常や先天性心疾患の病気のリスクが上昇することが知られています。

ただし、NTの肥厚があるからと言って、必ず赤ちゃんに異常があるわけではありません。逆にNTの肥厚がなかったからと言って、必ず赤ちゃんの異常が否定されるというわけでもありません。

また、NTの厚みは妊娠週数や母体の合併症などによっても影響を受けることが知られています。

適切な計測が重要

NTは妊娠11週〜13週で測定されることが勧められます。この時期の赤ちゃんは、頭殿長(赤ちゃんの頭からお尻までの長さ)が5〜8cm程度となり、ある程度体の特徴などを医学的に観察することが可能となります。

通常の妊婦健診では、このNTを必ず計測するわけではありません。NT計測は、FMF(英国胎児医療財団)の認定ライセンスを持つ医療者が計測します。

実際は、このライセンスを持たない医療者が計測をする場面が多いですが、本来NT計測は、訓練を受け高い計測技術を持った医療者が、厳密な決まりのもと施行すべき検査と言えるでしょう。妊婦健診でNT肥厚があると言われた方でも、実際にライセンスを持つ医療者が計測してみると、正常範囲だったということもよくあります。

また、このNT計測単独でなく、鼻骨や静脈管といった他の指標も併せて適切に評価することが求められます。

NT肥厚があると言われたら?

まずは、専門の医療機関へ相談しましょう。

そもそも適切な計測がされているか、という確認も必要です。 NT肥厚がある場合、羊水検査や絨毛検査(お腹に針を刺して赤ちゃんの羊水や絨毛組織の一部を採取し、染色体検査を実施します)に進む場合もあります。

そうした精密検査が必要であるかどうかの相談のためにも、検査が可能な専門施設への相談をお勧めします。

<参考文献>
・ISUOG practice guidelines:performance of first-trimester fetal ultrasound scan. Ultrasound Obstet Gyneclo 2013;41:102-113
・UK multicenter project on assessment of risk of trisomy 21 by maternal age and fetal nuchal translucent thickness at 10-14 weeks of gestation.Lancet 1998;352:343-346
・The fetal medicine foundation:The11-13weeks scan

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインでご相談ください。

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