帝王切開後の妊娠・出産で気をつけること

近年では、帝王切開を受ける女性の割合が増えてきています。無事に帝王切開で出産が終わり一安心、なのですが、次回の妊娠・出産で気をつけなければならないことがあることをご存知でしょうか。

次の妊娠までは最低でも1〜2年空けましょう

正常分娩では、子宮がしっかりと回復していない半年以内の妊娠で、早産などのリスクが上がると言われています。
特に帝王切開は、子宮の壁を切開して赤ちゃんを取り出してあげる手術です。このときにできた子宮の傷は、もちろん手術の際に縫合されますが、次の妊娠に耐えられるくらいにしっかりと治癒するには、少なくとも1年以上かかります。

きちんと間を空けないで妊娠すると、危険な合併症(妊娠中に子宮の壁が避けてしまう子宮破裂や低出生体重児など)の発生率が上がることが研究で示されており、しばらくは必ず避妊をしておきましょう。

月経再開前でもきちんと避妊を

産後一年以内で月経がきちんと再開していなければ、排卵もしていないと考えて避妊をしなくてもいいのでしょうか?
答えは「No」です。不思議な気もしますが、月経がきちんと再開する前に、排卵が再開する場合があることがわかっています。実際に避妊をしておらず産後半年くらいで妊娠してしまい、やむなく妊娠を諦めるというケースもあるのです。

帝王切開で出産した方は次の出産も多くの場合で帝王切開に

前回帝王切開だった場合、産科医としては、次の出産で「いかに安全に出産を終えるか」が最も大きな目標となります。
これは、
・経腟分娩では子宮破裂のリスクが上がる
・子宮破裂がいつ起こるのか予想が非常に難しい
・子宮破裂は命に関わる非常に怖い疾患である
・陣痛促進剤を使いにくい
などの理由があるためです。

あらかじめ帝王切開での出産を予定しておくことで上記のリスクをほぼ回避できるため、多くの医療機関では「予定帝王切開」が勧められています。
もし、ご自身の強い希望で経腟分娩を希望する場合には、妊娠がわかった時点で、必ず産科医にそれが可能かどうかを聞いておきましょう。

今回は帝王切開による次回妊娠への影響を詳しく解説しました。
帝王切開も立派なお産です。それ自体にいいも悪いもないのですが、ご自身の身体に影響が残っているということをきちんと理解し、今後の家族計画をしっかりと考えることが大切ですね。


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(産婦人科医 重見大介