最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
葉酸は、赤ちゃんの先天異常を減らす効果があり、妊活中から妊娠の初期に重要な栄養素です。
妊娠する4週間前から妊娠12週まで葉酸サプリメントを飲むことが推奨されています。
妊娠する1ヶ月前から葉酸サプリメントを飲み始めるのがおすすめです
葉酸は、赤ちゃんの背中の神経を作るのに大切な栄養素です。妊娠する前から積極的に葉酸をとることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症、脳瘤)などの先天異常のリスクを減らすことができます。
そのため、妊娠する1ヶ月前から葉酸サプリメントを飲み始めるのが良いとされています。
妊娠した女性の1日に必要な葉酸の摂取量は、妊娠前の2倍になります
葉酸は、妊娠していない女性は1日240μg、妊娠女性では2倍の480μgとることが推奨されています。葉酸を多く含む食事には、海藻類(のり・わかめ)、野菜類(枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草)、卵類、乳製品(チーズ)、肉類(レバー)などがあります。ところが食事だけで必要な葉酸を全てとることは難しいのが現実です。
そこで妊娠中は葉酸サプリメントを活用するのがおすすめです。
日本先天異常学会では、妊娠する4週間前から妊娠12週まで1日0.4mg(400μg)の葉酸サプリメントを飲むことで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるとしています。
妊活をはじめたら葉酸サプリメントを飲み始めよう
妊娠する4週間前を正確に知ることは難しいため、妊活をはじめたらときから葉酸サプリメントを飲みはじめるのがよいでしょう。
葉酸の量は、多すぎると赤ちゃんの喘息が増えるという報告もあるため、1日1mg(1000μg)を超えないようにしましょう。ただし、以前に神経管閉鎖障害の妊娠歴がある方は1日4~5mgと多めがよいとされています。
また、抗てんかん薬(カルバマゼピンやバルプロ酸など)、潰瘍性大腸炎の薬(サラゾスルファピリジン)は、葉酸の機能を弱めてしまうため、葉酸サプリメントを必ず飲んでください。
葉酸は赤ちゃんの神経をつくるのに大切な栄養素です。妊活をはじめたら葉酸サプリメントの内服を開始しましょう。
なお、こちらの記事も併せてご参照ください。
妊娠中の女性に摂ってほしい適切な栄養素とは?
*参考文献
・日本先天異常学会のメッセージ
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(医師 柴田綾子)