性的同意(セクシュアル・コンセント)〜パートナーと平等な関係を築くために〜

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

全国の若者(16~24歳)を対象に実施した内閣府の調査によると、約4人に1人が何らかの性暴力被害にあったことがあると回答していることが明らかになりました。あなたが望まない性的な行為は、全て性暴力です。そんな悲しい出来事を防ぐためにも、まずは「性的同意」について一緒に学んでみませんか?

性的な行為をする前にお互いが確認するべき同意のことを「性的同意」といいます

性的同意とは、セックスやキス、体に触れるといった性的な行為をする前にお互いが確認するべき同意のことを指します。相手の同意がなく無理やり性的な行為に至った場合、刑法176条「不同意わいせつ等罪」や同法177条「不同意性交等罪」などの罪に問われる可能性があります。

性に関することを曖昧にせず、相手の意思を確認し合うことは、性暴力の被害者や加害者になることから身を守ることにつながります。

もし性暴力被害にあった場合には、警察や下記の相談先へ支援を求めることができます。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

カップルや夫婦間でも性的同意が必要です

「同意」というのは、性行為に限らず学校や職場、家庭などでも日常的に行われているものです。性的同意とはこういったコミュニケーションの延長線上にあって、性的な行為の際もお互いの意思を確認することです。お互いの気持ちを尊重し、お互いの身体を大切にするために、意思確認はとても大切です。

付き合っているから、結婚しているからと言って性的な行為が「いつでもOK」というわけではありませんし、「OKしなければいけない」というものでもありません。

配偶者やパートナーとの関係にお悩みの場合は、専門家に相談することができます。

配偶者暴力相談支援センター(都道府県や市町村が設置する相談機関です)

 DV相談+(プラス)(2020年に新設された事業。24時間の電話相談、メールやSNSによる相談も可能です。)

もちろん、産婦人科オンラインでも、お気軽にご相談いただけます。

言葉に出して聞いてみること、NOとしっかり言えることが大切です

【具体的な同意の取り方】

・自分は(性的な行為を)したいと思っているけど、あなたはどう?どこまでならいい?

・もし嫌なことをしてしまったら言ってね。

【具体的な断り方】

・​​​​あなたのことは好きだけど、今日は(性的な行為を)したい気分じゃない

・今日は疲れているから(体調が悪いから)キスだけにしようね

【こんな言葉には注意を】

「なんで嫌なの?」「パートナーなのに断るの?」→相手を責めるような態度は同意を得る行為ではありません

【こんな思い込みには注意を】

「キスをしたらセックスまでしてもいいというサインだ」「相手がいやと言わなければ同意したも同然だ」→どれも同意をしたことにはなりません

いかがでしたか。

あなたとパートナーの間で、性的同意は取れていますか?また、もしかするとあなたの身近な人、大切な人の中には、性的同意について知らない人がいるかもしれません。

まずはあなた自身が性的同意の大切さを知ることが大切です。そして、あなたの大切な自分の家族や友人に少しでもこの考え方が広がることを願って止みません。

性に限らず、まずは日常生活の中でのコミュニケーションから、相手の気持ちを確認し同意を得ること、そして自分の気持ちや考えを表出できるように意識してみませんか?

<参考文献>

内閣府男女共同参画局「こども・若者の性被害に関する状況等について」

内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力対策」

公益財団法人 京都市男女共同参画推進協会「ウィングス京都 GENDER HANDBOOK 必ず知って欲しい、とても大切なこと。性的同意」

Safe Campus × Voice Up Japan Keio 「Sexual consent handbook for Keio students 性的同意ハンドブック 慶應」

櫻井裕子 (監修). 「私の心は私のもの 私のからだは私のもの 「同意」を考えよう」汐文社. 2023年2月

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 小松由美子

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