妊娠中の喫煙を必ずやめてほしい3つの理由

日本では、若い女性の喫煙率が増加傾向にあると報告されており、近年では電子/非加熱タバコも広がってきています。
喫煙による健康への悪影響は数多くありますが、妊娠中の喫煙は低出生体重や乳幼児突然死症候群など様々なリスクに関連します。

(1) 胎児への影響 –低出生体重と先天性異常–

タバコに含まれるニコチンは、喫煙しているお母さんの胎盤を通過してお腹の赤ちゃんにも届いてしまいます。ニコチンの作用により、細かな血管が狭くなり、胎盤から赤ちゃんへ送られる血液量が減少することがわかっています。
この影響によって、喫煙しているお母さんから産まれた赤ちゃんは出生時体重が平均で100-200gほど小さくなってしまうという研究報告があります。
出生時の体重が2500g未満である低出生体重児では、出産時の合併症やその後の発達にトラブルが起こりやすくなることがわかっています。

妊娠中の喫煙と赤ちゃんの先天異常(生まれつきの身体の構造的異常)についても世界中で数多くの研究がされてきました。
喫煙によって特にリスクが上がるものとして、「口唇口蓋裂」(こうしんこうがいれつ、唇や上顎、鼻の一部に生まれつき割れ目がある)が報告されています。また、喫煙本数が増えるほど、そのリスクが高くなることもわかっています。

(2) 母体への影響 –常位胎盤早期剥離や早産など–

妊娠中の喫煙は、お母さん自身の血管にも影響を与え、常位胎盤早期剥離(子宮内で胎盤が剥がれてしまう)や早産、妊娠高血圧症候群の発症リスクを増加させることがわかっています。

常位胎盤早期剥離は母子の命に危険が及ぶ大変怖い合併症です。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。

早産は妊娠37週未満で出産となってしまうもので、早産児には多くの健康リスクが付きまとってしまいます。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。

妊娠高血圧症候群も様々な合併症を引き起こす怖い合併症の一つです。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。

(3) 乳幼児の時期への影響 –乳幼児突然死症候群–

喫煙がリスクを上げるのは、胎児や出産直後への影響だけではありません。
妊娠中に喫煙していたお母さんの子どもでは、乳幼児突然死症候群の発生が2-3倍に増加するという報告がされています。
なお、乳幼児突然死症候群の他のリスク要因として考えられているものとして、うつぶせ寝や非母乳児があります。

今回は妊娠中の喫煙について詳しく解説しました。
なかなか習慣を止めるのは難しいことですが、お腹の中で何も知らずに育っている赤ちゃんに生まれつきのリスクを与えないためにも、禁煙を強くお勧めします。
なお、受動喫煙や電子/非加熱タバコでも喫煙と同じように悪影響が出てしまうと考えられていますので、ご家族にもぜひ禁煙を守ってもらってくださいね。


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(産婦人科医 重見大介