妊娠中の飲酒、赤ちゃんにどんな影響があるの?

日本では、日常的に飲酒をしている20〜40歳代の女性の割合は年々増加してきています。一方で、妊娠中の女性の飲酒は、2000年の調査に比べて近年では減少傾向と言われていますが、それでも5〜10%の女性が飲酒をしていると考えられています。
妊娠中の飲酒による赤ちゃんへの影響を確認していきましょう。

飲酒による胎児への悪影響 –胎児性アルコールスペクトラム障害–

妊娠中の飲酒は、胎盤を通過したアルコール成分が胎児にも届いてしまい、様々な悪影響が出るリスクがあります。これまでの研究でわかっているリスクとして、
・発達障害
・先天異常(生まれつきの身体の構造的異常)
・神経系の障害
などがあります。

お腹の中の赤ちゃんにはアルコールを分解する能力がなく、細胞の増殖や発達が障害されてしまうのです。

アルコールの影響は妊娠時期によって異なる

妊娠中の飲酒によるアルコール摂取は、妊娠時期によって胎児への影響が変わってきます。

・初期(〜15週頃):顔の作りや身体の構造に発生する異常に関連します。脳の容積にも影響し、神経系や認知機能の障害が起こりやすい時期です。
・中期〜後期(16週頃〜):体重増加に影響して低出生体重となったり、脳神経への障害が出やすい時期です。

ごく少量の飲酒でも影響が出る可能性あり

一般的に、一日のアルコール摂取量が15ml未満であれば、胎児への影響が出る可能性は低いと考えられています。(目安 ワイン:グラス一杯、日本酒:コップ1/2杯、ビール:350ml缶一本)
ただし、「これ以下の飲酒量であれば胎児に影響がない」という安全な量は確立されていないため、少量であっても妊娠中の飲酒は避けるべきでしょう。

なお、妊娠したと知らずに少量の飲酒をしてしまっても、それだけで胎児への悪影響が出ることは実際には稀です。その後の飲酒を控えることで、ほとんどの場合には問題なく経過すると考えられています。

今回は妊娠中の飲酒について詳しく解説しました。
急に飲酒の習慣を止めることは難しいかもしれませんが、お腹の中で何も知らずに育っている赤ちゃんに生まれつきのリスクを与えないためにも、ぜひ禁酒をするようお願いします。
飲酒以外の楽しみやストレス発散方法を探し、健康的な妊娠生活を送ってくださいね。


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(産婦人科医 重見大介