立ち会い出産ができない…分娩時や産後に備えて準備すべきものは?

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

妊娠経過や病院の方針、ご家庭の事情などさまざまな理由で、思い描いていた立ち会い出産が叶いそうにない…と肩を落としていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そのような中でも分娩に備えて準備できることを、一緒に確認していきましょう!

まずは物品準備から!自宅に必要なもの・入院に必要なもの、それぞれ確認しましょう

<自宅に必要なもの>
少し検索するだけで、たくさんの育児物品が目に入ってくると思います。しかし実際に必要かどうかは個人差がありますので、最低限必要なもの以外は、必要性を感じた時に購入してもいいかもしれませんね。最低限必要なものとしては、下記の物品が挙げられます。

・おむつ、お尻ふき(布おむつの場合はおむつカバーも)
・赤ちゃんの衣服、肌着(短肌着と長肌着は季節を問わず少なくとも4〜5枚、コンビ肌着やカバーオールなどは生まれる季節に合わせて2〜3枚)
・赤ちゃん用の入浴物品(ボディソープ、保湿剤、ガーゼやタオル、必要な場合は沐浴槽)
沐浴槽を使わない沐浴方法について、詳しくはこちらの記事を参考になさってください。
・赤ちゃん用の爪切り、綿棒

そのほか、粉ミルクをあげる予定の方は、哺乳瓶やミルク、消毒用品なども必要です。母乳分泌の状況によって、粉ミルクを使用するか決めようとしている場合は、必ずしも妊娠中に準備する必要はありません。ただし、ご自身が産後の入院中に家族でも購入できるように共有しておきましょう。

また、退院時に車で帰る場合には、6歳未満の子供にはチャイルドシートの使用が法律で義務付けられているので、準備が必須です。
チャイルドシートに関しては、こちらの記事を参考になさってください。

<入院に必要なもの>
多くの病院では、経腟分娩の場合5日程度、帝王切開の場合7〜10日程度の入院期間です。食事は出産施設で準備されていると思われますが、タオルや下着、入院中のパジャマ、生理用ナプキンや入浴物品については、病院によって準備されているかどうか、またその量が異なります。

例えば、タオルやパジャマの準備が不要な病院もあれば、オプション料金を払うと貸し出しされる場合や、必ず持参しなければならない場合もあります。院内に洗濯機や乾燥機がある場合には、入院中に洗濯しながら持ち込んだものを使えるかもしれません。一方、産後の疲労感の中では、レンタルの方が簡単だと感じる方もいらっしゃるでしょう。産後のことを想像しながら、準備を進めてみましょう。

経腟分娩予定の方は、陣痛中に手軽に糖分補給できる食糧を準備しておいても良いかもしれません。片手でも食べられるような日持ちのするゼリーやエナジーバー、糖分補給できる飲み物やペットボトル用のストローなどを予め入院バッグに忍ばせておく方もいらっしゃいます。

※出産予定の医療機関によって、入院に向け準備する物品が異なりますので、詳しくは次回健診の際にご確認ください。

バースプランを考えてみましょう!

バースプランという言葉をご存知でしょうか?
バースプランとは、お産に対する希望や要望のことを言います。例えば、陣痛中の過ごし方(部屋を暗めにしたい、内診時は状況を教えてほしい等)から産後のこと(母乳育児希望、母乳だけでなくミルクの事も教えてほしい、疲れているときは母児同室ではなく預かってほしい等)まで希望を伝えることができます。
分娩時〜産後の過ごし方や知りたいことについて事前に家族と話し合うことによって、「家族で赤ちゃんを迎える準備ができる」という貴重な機会になるはずです。もちろん帝王切開の場合でも、バースプランを立てることができます。

考えたバースプランはかかりつけの産婦人科のスタッフにシェアしながら、実際にできそうなことを一緒に考えたり、心身の準備を進めてみましょう。
バースプランについて、詳しくはこちらの記事を参考になさってください。

出生届、健診、予防接種…産後の過ごし方はイメージできていますか?

産後は、多くの手続きが必要となります。
出生証明書の提出や児童手当の申請、健康保険への加入、職場からの出産手当や育児手当の申請などの手続きがあります。健康保険や各種手当の申請は、お仕事や健康保険の種類によって申請先が異なります。妊娠中から、手続きの方法や期限について確認しておくと安心ですね。

また、生後2ヶ月からお子さんの予防接種が始まります。お子さんのかかりつけとして通える範囲内に小児科があるかどうか、確認しておくといいですね。

もしも里帰りやご親族のサポートを得るのが難しい場合には、産後の家事や育児をヘルパーやシッターに依頼する必要が出てくるかもしれません。自治体によっては、ファミリーサポートなどお手頃な価格で家事や育児を依頼できるシステムもあります。妊娠中から産後に使えそうな社会資源をチェックし、事前登録をしておくのも準備の一つです。
産後に向け調べておいた方がいい情報について、詳しくはこちらの記事を参考になさってください。

物理的な育児用品の準備から、入院中〜産後の過ごし方についての計画、産後の手続きや小児科の検討など、妊娠中にできる準備はたくさんありそうですね!
ぜひご家族と相談し、産後の生活をイメージしながら、一つずつ準備を進めてみてください。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 中村早希

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