妊娠糖尿病について知っておきたいこと(2)–胎児への影響とは?

妊娠糖尿病の診断や治療、産後に気を付けることについては、こちらの記事で説明しました。
また妊娠糖尿病は、ご自身の身体だけでなく胎児へも影響することが分かっています。今回は、糖代謝異常が胎児へ与える影響についてまとめてみました。

妊娠糖尿病では巨大児と肩甲難産に注意

妊娠糖尿病の場合、胎児は平均よりも大きく、そして羊水量は多くなりやすいです。胎児の推定体重が平均を大幅に超える場合には巨大児(出生時4kg以上の赤ちゃん)や難産が予想されるために、出産時に十分な注意が必要となります。

特に妊娠糖尿病をもつお母さんでは、出産時に赤ちゃんの頭が出たあとに肩が出口に引っ掛かってしまう「肩甲(けんこう)難産」が起こりやすくなります。

難産以外にも赤ちゃんへの影響はさまざま

巨大児や肩甲難産の他にも、妊娠糖尿病による赤ちゃんへの影響として、次のような合併症の可能性が挙げられます。
・ 先天異常(生まれつきの身体の異常)
・ 子宮内胎児死亡
・ 新生児低血糖
・ 新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)
・ 新生児低カルシウム血症
・ 新生児呼吸窮迫症候群(出産後の呼吸障害)

特に帝王切開や早産の場合には、新生児呼吸窮迫症候群が起こる可能性がさらに高くなります。新生児呼吸窮迫症候群が起こってしまった赤ちゃんには、酸素投与や人工呼吸器などによる治療が行われることがあります。

お母さんの血糖値をコントロールすることが何より重要

ここまでの説明を読んで、こんなにも胎児への影響があるのだと不安に感じた方が多いのでは、と思います。
では、少しでも赤ちゃんへの影響を少なくするためにどうしたらいいのでしょうか?何か少しでも出来ることはあるのでしょうか?

実は妊娠糖尿病を適切に治療して、お母さんの血糖値を(なるべく初期のうちから)きちんとコントロールすることで、これまでに挙げたような胎児への影響を減らせることがわかっています。
また、赤ちゃんが生まれたあとに起こるかもしれない合併症にいち早く対応するため、新生児科医の待機している病院で出産する、ということも重要です。

いかがでしたか?
この記事を読んで、少しでもお母さん、赤ちゃんが健やかに過ごされることを願います。


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(産婦人科医 神保 覚子