食べ物からお腹の赤ちゃんにうつる感染症(2)リステリア

前回、「食べ物からお腹の赤ちゃんにうつる感染症(1)トキソプラズマ」の記事で、トキソプラズマの説明をしましたが、今回は、もう一つの代表的な病原体であるリステリアについて説明をさせて頂こうと思います。

リステリア感染の初期症状はとても軽い

リステリアの生息域はとても広く、様々な食品の中で見つかる可能性があります。感染は、リステリア菌に汚染された食品を食べてしまうことで起こりますが、健康な成人が感染しても多くの場合には重い症状が出ません。

感染初期には倦怠感、弱い発熱を伴うインフルエンザのような症状を示すことがありますが、重症になると髄膜炎や敗血症(全身に菌が回って臓器障害を起こす状態)となって、命に関わることもあります。

妊婦さんは注意が必要

妊婦さんは元々免疫力が弱い状態であり、リステリア感染が重症化してしまうリスクが一般成人の数十倍ともいわれています。また、感染すると約2割で流産・死産、新生児死亡などの結果を迎えてしまうと考えられます。無事に出産できた場合にも、新生児リステリア症によって重症化してしまう可能性があります。

稀な病気(日本での妊娠中の重症感染はほとんど報告がありません)であることと、インフルエンザや他の病気と区別がつきにくいことから診断が遅れやすく、感染しないための予防が重要になります。

感染しないために守りたい食事・習慣6つ

リステリアは、74℃以上の加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴です。
そのため、冷蔵庫や塩漬けの食品を過信してはいけません。以下に挙げる食品は食べないか、加熱するなどの予防方法を参考にしてください。
<避けるべき食品>
 ・生ハムなどの食肉加工品
 ・未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品(加熱せずに製造されるもの)
 ・スモークサーモンなどの魚介類加工品
<予防方法>
 ・生の食肉類を食べず、肉は十分に加熱する。
 ・生で食べる野菜や果物は良く洗う。
 ・生肉に使用した調理器具はよく洗い消毒する。

いかがでしたか?食べ物からお腹の赤ちゃんにうつる感染症は日々の生活で予防することがとても重要です。
是非参考にして、健やかな妊娠生活を送ってくださいね。


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(産婦人科医 尾市 有里