授乳中の市販薬(前編)–使用するメリットとデメリット

産後の授乳中の体調不良。薬を飲もうにも、そのあとの授乳に気になって薬が飲めなくて困った…という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。でもその薬は本当に授乳に影響するのでしょうか。じつは、薬を飲まずに我慢したり、薬を飲んだあと不必要に母乳を中止することでおこるデメリットもあるのです。今回は、授乳と薬の関係について、二回に分けてみていきましょう。

母乳に移行する薬の成分が赤ちゃんにとって危険とは限りません

口から飲んだ薬が母乳に染み出して、赤ちゃんの体内に入ってしまうのでは…と心配される方は多いでしょう。たしかに薬は母乳に移行するのですが、その量はわずかと言われています。問題になるのはその薬が、わずかな量でも赤ちゃんに影響するものなのかどうかということでしょう。
ポイントは、「母乳に移行する」からといって「赤ちゃんにとって危険」とは限らないというところです。

母乳を中止することにはデメリットも

母乳には、栄養のほかにお母さんからの免疫なども含まれていることをご存知でしょうか。免疫は結果的に赤ちゃんを外敵から守ってくれる役割があります。そのほか、母乳を作るシステムは非常に繊細で、いったん授乳を中止すると今後、母乳が作られなくなることもありえます。
根拠のない不安のために母乳を中止することは、結果的にその後の授乳に影響する場合すらあるのですね。

薬を飲むメリットと飲まないデメリットを比較して服薬を決めましょう

それでは、「母乳を継続したいから、薬を飲まないで我慢する」というのはどうなのでしょうか。基本的にはお母さんが元気なことが、赤ちゃんがすくすく育ち、無理なく忙しい産後の毎日を過ごすための要となります。

薬によってはお母さんの健康を維持するのに必須の薬もありますので、薬を飲まない結果起こる体調不良やさらにそこからくる疲れが赤ちゃんに与える影響と、母乳にわずかに流れ出る薬が赤ちゃんに与える影響について、しっかり天秤にかけて比較するのが大切です。

今回は授乳中の薬について、メリット・デメリットを考えてみました。実際どうすればいいかについては、後編をご覧ください。


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(産婦人科医 高野恭平