授乳中の市販薬(後編)–飲んで良い薬と避けるべき薬

前編(「授乳中の市販薬(前編)–使用するメリットとデメリット」)では授乳中の市販薬について、メリットとデメリットを紹介させていただきました。それでは実際はどのように薬を飲むべきかどうか、そして、飲むならどういう風に選ぶべきかについて考えていきたいと思います。

注意書きの「絶対に安全とは言えない」の捉え方

そもそも絶対と言い切ることは、医学の世界のみならず、非常に難しいのが現実です。お薬の説明書きをみると、「授乳中は絶対に安全とは言い切れない」と玉虫色のコメントが書いてあったりしますが、それにも関わらず薬剤師さん聞いてみると飲んでも問題ないと言われることがあります。

授乳中の安全を保障できないとされる理由はじつは様々です。実際に赤ちゃんに有害である希な場合から、単にデータがまだ十分に蓄積されていないだけでほとんど無害と想定されている場合まで幅広いのです。

安全とされる薬

現時点で安全とされる成分をいくつかご紹介しておきます。

<痛み止め>
アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン
<アレルギー薬>
フェキソフェナジン
<便秘薬>
ピコスルファート、センナ、センノシド

などになります。

授乳中に出来るだけ避けるべき薬

それでは、授乳中に出来るだけ避けた方が良いと科学的にわかっている薬はどんなものなのでしょうか。このような薬は、病気と薬の児への影響を考えて、明らかに授乳期の治療に適さないと判断される薬という意味です。

国立成育医療研究センターが公表しているものとして、アミオダロン(抗不整脈薬)、コカイン(麻薬)、ヨウ化ナトリウム(123I)(放射性ヨウ素)、ヨウ化ナトリウム(131I)(放射性ヨウ素)があります。
他に、精神神経系の疾患への薬や、抗がん剤といったものは授乳中に注意が必要なことが多く、必ず医師と相談しながら使用を検討した方が良いでしょう。

もちろん、この表に記載されていない薬がすべて安全な薬というわけではありませんが、一般的に風邪やアレルギー、便秘などで使用する類の薬がこの分類に入っていることはまずありません。

一番大切なのは、どうやって正しい情報にアクセスするかを知っておくこと。たとえば、国立成育医療研究センターには、授乳中に飲んで良い薬/飲んではいけない薬のリストが掲載されており、医療従事者でなくてもアクセス可能です。
ただし、実際お薬の箱の成分の欄をみると、薬効のある主成分以外にも他の成分がたくさんまざっていて、心配になったりもするもの。そんなときは薬剤師さんか担当の先生、産婦人科オンラインの医師・助産師に確認してくださいね。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 高野恭平)