産後の乳がん検診について知っておいてほしいこと

妊娠中はなかなか乳がん検診を受ける機会がなく、産後に早めの検査を受けたいという声を多く耳にします。授乳の影響なども含め、産後の乳がん検診について解説します。

卒乳後6ヶ月程度で乳がん検診の精度が上がる

一般的に、産後の授乳期は乳腺がとても発達しており、視診や触診、マンモグラフィによる病変の発見がとても難しい時期です。
特に硬いしこりなどの自覚症状がない場合には、授乳が終わって半年程度たつと、乳腺も通常の状態に戻り、検査の精度が上がると考えられています。

なお、明らかに増大するしこりや、乳頭から血の混じった分泌物がでるなどの自覚症状がある場合には、この限りではありませんので、医療機関や自治体の窓口にお問い合わせください。

マンモグラフィより超音波検査の方が適している場合も

授乳が終わって半年程度経過すれば検査への影響はなくなると考えられますが、どうしても乳腺の状態には個人差があります。また、離乳後半年以内に検査を受けたい事情がある方もいるでしょう。
通常、マンモグラフィに比べ、超音波検査の方が、発達した乳腺による「病変の見えにくさ」の影響は受けにくいとされています。

ただし、医療機関や施設によっては超音波検査を取り扱っていないことがありますし、住民健診では超音波検査を対象としていないこともあります。事前に受診予定の窓口へ確認しておくようにしましょう。

40歳以上の女性は2年に一回の定期検診が推奨されています

現在のところ、科学的に検証された上で推奨されている定期的な乳がん検診(住民検診)は「マンモグラフィ単独法」です。
日本では40歳以上の自覚症状のない女性に対し、2年に一回の検診が勧められており、放射線被曝の影響はほとんど心配ないこともわかっています。

また、閉経後の肥満、飲酒、喫煙によって乳がんの発症リスクが高くなることがわかっています。
ぜひ、産後も定期的に乳がん検診を継続して受けてくださいね。

今回は産後の乳がん検診について説明しました。妊娠中から心配な方や高齢妊娠の方は、ぜひ通院中の病院で先生に相談してみてください。
また、産後1ヶ月健診を過ぎると産婦人科への受診機会がほとんどなくなってしまうため、健診時に相談してみることもお勧めです。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師・助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 重見大介