双子を妊娠したらどうなるの?(1)〜胎児への影響

双子ってかわいいですよね(もちろん一人でもかわいいですよ)。街中で双子用のベビーカーを押してるお母さんを見るとおもわず頬が緩んでしまいますね。有名人の双子の出産の話も耳にすることがありますね。女性と話をしていると、1回の妊娠で二人も産めてラッキーなので双子が欲しい、という話を聞くことがありますが、本当にそうなのでしょうか?

双子はハイリスク妊娠

産婦人科医は、双子(医学用語では双胎といいます)の妊娠をハイリスク妊娠と認識しています。それは、赤ちゃんが一人の時に比べて(単胎)、様々な理由から、母体および胎児に危険が起こる可能性が高いためです。自然に双子を妊娠することに対して、我々には予防の手段がありません。しかし、例えば不妊治療の現場などでは、なるべく双子の妊娠が起こる可能性が高くならないように工夫をしながら診療をおこなっています。本稿では、児にどのようなリスクが起こりえるのかについて解説したいと思います。

双子では2人に1人は早産に

妊娠37週未満での分娩を早産と呼びます。おなかの中に二人赤ちゃんがいると、同じ週数の単胎の妊婦さんに比べると子宮はより大きくなります。37週まで妊娠が継続するのが理想ですが、子宮が妊娠に耐えられなくなると、37週未満でも陣痛が起こったり、破水したりと分娩を避けられない状況になることがあります。2000年から2008年までの日本人口動態統計によれば、双子のお母さんの2人に1人は37週未満の早産でした。
医学的な理由により、34週を一つの目標として設定し、必ずしも37週を待たずに分娩を選択することもあります。

二人の成長に差が出てくる場合には要注意

双子の場合、おなかの中で二人とも同じように成長するのが理想です。しかしながら、なかには二人の成長に差がみられる場合があります。成長に差がみられるだけでなく、羊水の量が違ってくる場合もあります。このような場合には、二人の成長の差がどれぐらいなのかをしっかりと見極め、週数および児の状態、膜性(胎盤の数、および児を包んでいる膜の数)に応じてどのような治療を選択するべきか慎重に検討します。
入院管理や高次施設への転院、手術や早い週数での分娩が必要になる場合もあります。

もちろん、このようなことが全員に起こるわけではありません。しかしながら、上記のようなことが起こった場合に早めに対応できるよう、外来診察の回数が増えたり、管理入院が必要になる場合があります。
また、すべての医療機関が双子の妊婦健診あるいは分娩に対応可能なわけではありません。過度に心配しすぎる必要はありませんが、少なくとも産婦人科医は全ての双子の症例を“ハイリスク妊娠”と認識して診療にあたっていることを知っておいていただければと思います。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 竹中裕