妊娠中のインフルエンザ予防方法

妊娠が判明すると、「感染症には注意しましょうね」とよく耳にします。でも、妊娠中に危険な感染症は?ワクチン(予防接種)で防げる感染症は?そもそも妊娠中にワクチン(予防接種)は打てるの?副作用はないの?など、色々な疑問が出てきます。インフルエンザを中心に解説します。
※その他のワクチンについては「妊娠中に接種できる/できない予防接種と他の予防法を覚えよう!」の記事でご説明しています。

インフルエンザが妊娠に与える影響は?

インフルエンザ感染が直接、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはないと考えられています。
しかし、妊娠中は、普段より免疫力が低下している状態であるため、インフルエンザにかかってしまうと重症化しやすくなると言われています。そして、重症化して、お母さんが高熱や肺炎を合併してしまうと母児ともに注意が必要な状態になってしまいます。ですので、インフルエンザのワクチン接種は重要です。

妊娠中のインフルエンザ予防ワクチンは推奨されています

インフルエンザワクチンは妊娠中にも高い安全性のもとで使用できることから、海外の多くの国でも、もちろん日本でも、妊婦さんへのワクチン接種が推奨されています。接種は妊娠全期間で可能ですので、流行シーズンが始まる10〜11月が理想的な接種時期となります。なお、インフルエンザワクチンには防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)を含んでいるものもありますが、妊娠中にこれを接種しても赤ちゃんへの影響はないとされています。病院のワクチンに余裕があれば防腐剤を含んでいないものを投与してもらえるかもしれませんが、もし在庫が少なく防腐剤入りのワクチンしかない場合でも、特に問題はありません。

ワクチン効果は新生児にも受け継がれます

また、お母さんが獲得した免疫力は胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも移行し、生後の感染予防に有効だという複数の研究結果があります。インフルエンザワクチンも同様で、生後半年以内のお子様のインフルエンザ感染を減らしてくれると期待できます。赤ちゃんのためにも、妊娠中の積極的な接種をお勧めします。

妊娠中の感染症は、お腹の赤ちゃんへの影響まで考えてしっかり予防することが重要です。そのためには、妊娠中に打てないワクチンがあることも知っておかなければなりません。逆に、インフルエンザなど安全に打てるとわかっているワクチンであれば、きちんと利用することが大切です。パートナーとも一緒にこれらを理解して、早めの予防対策を計画していきましょうね。


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(産婦人科医 重見大介