産婦人科医が伝えたい「初期流産」の正しい知識

「流産」と聞くと、ドキっとしてしまいますが、だれでも一度は考えてしまう不安ではないでしょうか。
産婦人科医の立場から、妊娠中の方には是非知っておいてもらいたい知識をまとめました。

流産は決して稀なものではない

切迫流産は「流産のリスクが通常より高い状態」という意味ですが、流産の基礎知識を持っておくことも大切です。
まず、原因を問わず、妊娠が22週未満で終了してしまうことを流産といいます。
流産は妊娠全体のうち約10~15%に起きるため、頻度としては決して稀なものではありません。
また、女性の年齢とともに流産率は上昇していき、40歳以上では25%にも達すると言われています。

症状や状態によって流産の診断名はさまざま

出血がなければ流産しない、という訳でもありません。流産の一つの種類として稽留流産(けいりゅうりゅうざん)と呼ばれるものがあります。これは赤ちゃんが子宮内部で死んでしまった状態ですが、まだ胎嚢が体外へ出てこない状態のことを指します。つまり、出血や腹痛といった自覚症状がほとんどありません。そのため、ほとんどのケースでは、妊婦健診で胎児の動きや心拍を確認できず、そこではじめて発覚します。
一方で、強い腹痛や性器出血が伴っており、まさに流産が進行してしまっているものを進行流産と呼びます。進行流産は、治癒はあまり望めないというのが現状です。

流産の原因のうち、大半は「赤ちゃん側の偶然」

初期流産では、そのほとんどが赤ちゃん側に原因があると考えられています。つまり、染色体や遺伝子の病気など、赤ちゃん側にもともと出産まで成長できる生命力が偶然備わっておらず、早いうちに流産となってしまうのです。
このため、妊娠初期の段階では、お母さんのちょっとした運動や仕事などが流産の原因になることはほとんどないといえるでしょう。
また、第二子の妊娠中の方の場合、「第一子に授乳をするのがいけないのではないか」と不安に思う方が時々いらっしゃいますが、授乳は流産率に影響しないという意見が産婦人科医の中では多くみられています。

流産は一定の頻度で起きてしまう可能性が誰にでもあるため、自分には関係ないと言い切れません。 適切な知識を持つことで、過度に不安を抱えることなく、上手に対処していきましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

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(産婦人科医 重見大介