産婦人科医が伝えたい「つわり」の正しい知識と対応

妊娠すると皆さんが不安になるものの一つが、つわりです。辛いけど無理して食べたほうがいいの?赤ちゃんの成長に影響は?
産婦人科医の立場から、多くの妊婦さんを困らせる「つわり」について、是非知っておいてもらいたい内容をまとめました。

つわりの症状は様々で、個人差も大きい

つわりとは、妊娠によるホルモンバランスの変化によって生じる、悪心(吐き気)、嘔吐、食べ物の好みの変化などの総称です。ただし、人によっては頭痛や眠気、唾液の増加もみられるなど症状は様々であり、個人差も大きいことが特徴です。
また、つわりは50-80%の妊婦さんが経験すると言われており、決して人ごとではありません。初めて出産する女性に比較的多いです。一方、出産経験がある女性には比較的おこりにくいですが、おきた場合には重症化しやすい、といわれています。

つわり中の過ごし方、対処法:3つのポイント

1)ストレスは最小限に
つわりには精神的・肉体的ストレスが関係していると考えられています。つわりの時期は辛いものですが、「8割くらいの妊婦さんが通る道なんだな」、「赤ちゃんは気にせず元気に大きくなってるんだ」、「これを機に生活の整理整頓をしてみよう」というように考えてましょう。そして、パートナーにも正しく理解してもらい、家事などを協力してもらいましょう。
2)食事は食べられるものだけでOK。でも水分はしっかりと。
つわり中は、1日3食にこだわる必要はありません。1食分を無理に食べるのではなく、1日5食くらいを目安に、少ない量をこまめに食べるようにしましょう。そして、この時期は栄養バランスを無理に気にする必要もありません。、食べられるものだけを食べれば、基本的には大丈夫です。
ただし、食事が辛いときでも、水分は欠かさないようにしてください。水だけでなく、スポーツドリンク等を飲むのがおすすめです。
3)どうしても辛い時は病院へ相談を
体重が元の5%以上減った、水分さえ全然とれない、意識が朦朧としてしまう、などは重症のサインです。速やかに病院へ相談しましょう。

つわり中に使える薬もあります

妊娠初期でも、ある程度なら安全に薬剤の利用も可能です。産科医の判断のもと、ビタミン剤や吐き気・嘔吐を改善するメトクロプラミドを服用して良いでしょう。また最近では小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう),半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう),人参湯(にんじんとう)などの漢方薬を使用することもあります。
薬物ではありませんが、欧米ではジンジャー(しょうが)が有効とされ、産科医からの指導も含め広く用いられています。

つわりは多くの方にとって精神的にも身体的にも負担となりますが、対処法や使用できる薬もあります。適切な知識を持ち、パートナーとも協力しながら上手に対処していきましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

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(産婦人科医 重見大介