公開日: 2018年12月25日
最終更新日: 2026年2月15日
近年、出産前に胎児の異常があるかどうかを検査する「出生前診断」が普及しつつあります。ところが、検査についての適切な知識やきちんとした準備を持たずに、安易に出生前診断を行うことには多くの危険があります。
特に、出生前検査の認証を受けていない医療機関(非認証施設)の中には、手軽さや年齢制限がないことを強調する一方で、十分な遺伝カウンセリングや結果説明が行われないまま検査が実施されている例も報告されています。
そのような施設で中途半端な結果を伝えられ、結果的に心も身体も深く傷ついてしまう方々が後を絶ちません。今回は、出生前診断を検討するときに、必ずわかっておいて欲しいことについて解説します。
母体血胎児染色体検査(NIPT)について

新型出生前診断法として近年注目を集めている検査法です。母体血から検査する方法で、日本では2013年4月から導入されました。これまでの検査とNIPTの決定的な違いは「採血という非常に負担の少ない検査で、胎児の染色体検査が100%にかなり近い精度で行える」という点です。
この検査は、染色体異常を「診断」するものではなくあくまでもその可能性を「検出」するもので、この検査で検出できるのは、21トリソミ―(ダウン症候群)、18トリソミー症候群、そして13トリソミー症候群の3つだけです。つまり、全ての染色体異常が検出できる検査ではなく、染色体異常症全体の2/3程度が対象になります。
NIPTの陽性的中率(検査が陽性となった妊婦さんが実際に染色体異常の児を妊娠している確率)は若い女性ほど低くなり、35歳で84%、30歳で68%となります。そのため、若年妊婦では陽性結果が必ずしも胎児の染色体異常を意味するわけではなく、結果の解釈には専門的な説明が不可欠です。
一方で、陰性的中率(結果が陰性の場合に実際に染色体異常の児を妊娠していない確率)はどの年齢においても高く99.9%以上です。つまり、結果が陰性の場合は21トリソミ―(ダウン症候群)など染色体異常の児を妊娠している心配は100%に近い確率で否定されるため、羊水検査という侵襲的検査を受けないという選択が可能になるメリットがあります。
以上をまとめると、NIPTは、「羊水検査など侵襲的検査を受ける妊婦さんを適切に選別するための検査」であり、その解釈と次の選択には専門的なサポートが欠かせません。
NIPTを受けられる施設

日本では、出生前検査認証制度等運営委員会による認証制度が運用されており、NIPTは「認証基幹施設」および、これと連携した「連携施設」で実施される体制が整えられています。
実施施設については、出生前検査認証制度等運営委員会の公式ウェブサイトから確認することができます。参考になさってください。
今回は、近年急速に広まりつつある出生前診断について詳しく説明しました。
正確な知識をもとに、学会や国から推奨された手順を踏んで検査を進めていくことが何よりも重要です。また、最初からパートナーと一緒に考えていくことも大切になります。かけがえのない新しい命をどのように迎えていくか、考えてみましょうね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。
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