妊娠中は適切に運動をして、健康なマタニティライフを!

昔は「妊娠中はできるだけ安静にする方が良い」、「赤ちゃんのために2人分食べて栄養を取るべきだ」というような見解が主流の時期もありました。しかし、近年では考え方や社会の認識も変わってきています。
今回は、誰もが気になる妊娠中の運動とエクササイズについて、日本や欧米のガイドラインを元に解説いたします。

妊娠中の習慣的な運動は医学的にも推奨あり

日本の「産婦人科診療ガイドライン産科編2017」では、「妊娠中に少なくとも週に2〜3回の有酸素運動(エアロビック・エクササイズ)を行っている妊婦では、早産率を増加させずに身体機能を増進・維持させることができる」と書かれており、定期的な有酸素運動を推奨しています。アメリカ、カナダのガイドラインでも同様の推奨をしており、「特別な合併症がなければ1日に30分以上の運動を週に数回」行うことができると書かれています。

運動のメリットは大きく3つ

運動のメリットは大きく以下の3つのことに役立ちます。

1.体力維持
2.心肺機能向上
3.体重コントロール

1, 2は出産時や産後の生活に大きな助けとなります。3の妊娠中の適正な体重コントロールは、巨大児(4kg以上の赤ちゃん)の出産によるトラブルを回避したり、帝王切開を減らせたりといったメリットがあると考えられています。
体重コントロールを指導された際、単純に食事を減らす方も多くいらっしゃいますが、「食べるものを減らすのではなく、定期的な運動で体重コントロールを」が重要です。

合併症がある場合には担当医に確認を!

では、注意点はどういったものがあるのでしょうか。まず、「定期的な運動を行って大丈夫かどうか」を担当医に確認することが必要です。これは、産科的合併症(切迫流早産、子宮頸管無力症、頸管長短縮、性器出血、前置胎盤、低置胎盤、妊娠高血圧症候群など)や、妊娠前からの合併症(心臓疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患など)がある場合には、運動によって合併症が悪化してしまう可能性があるためです。安定期を迎えたら、直近の妊婦健診の際に、先生にきちんと確認をしておきましょう。

今回は、妊娠中の運動・エクササイズはとてもメリットが大きく、各国で推奨されていることをお話ししました。
妊娠中は適切に運動をして、健康なマタニティライフを!(2)ー具体的な運動方法」では、もう少し詳しい内容まで踏み込んで解説いたします。


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(産婦人科医 重見大介