デリケートゾーンのアンチエイジング目的でレーザー治療をする際の注意点

更年期以降に、腟のかゆみや痛み、たるみ、排尿の不具合などを感じる方がいらっしゃいます。どのような対処法、治療法があるのでしょうか?

更年期やその後に感じるデリケートゾーンの不快な症状とは?

更年期(およそ45-55歳頃を指す)を迎えると、卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)産生量が減ることにより、腟の粘膜に加齢性の変化が起こります。具体的には、かゆみ、痛み、灼熱感、乾燥、性交時の痛み、尿漏れなどが多い症状です。

どのような対処法、治療法があるのでしょうか

更年期以降のデリケートゾーンの症状には、以下の治療法があります。

1.保湿剤・潤滑ゼリーの使用

局部に保湿剤を塗ることで、乾燥や痛みの改善が期待できます。性交時の不快軽減には潤滑ゼリーが勧められます。

2.エストロゲン製剤の使用

比較的負担の軽いものとしては、エストロゲンの腟剤使用があります。腟の中に溶ける錠剤をいれることで、腟粘膜にホルモンが補充され、症状が緩和されます。また、飲み薬によってその他の更年期症状(例えばホットフラッシュ、イライラなど)と同時に改善を期待することもできます。腟の不快な症状については、腟剤の方が効果が高いとされています。

これら2つの治療は日本の産婦人科診療ガイドラインで推奨されているものになります。

レーザー治療で腟が「若返る?」「アンチエイジングできる?」その効果とは

腟の加齢性変化を改善することを目的とした炭酸ガスレーザー治療は、医学的根拠のある効果が認められていないため、日本では保険適用になっておらず、自費診療となっています。また、FDA(アメリカ食品医薬品局)からもその効果を明確に認められていません。つまり、エビデンス(効果や副作用のデータ)が不足しており、残念ながら今までのところ有効性が示されていません。

更年期に伴う腟や排尿に関わる不快症状には、効果が示された保湿剤、潤滑ゼリーの使用や、エストロゲン製剤の使用から始めていくのが現時点では最善であると考えられます。

その上で、医師と相談しレーザー治療が最善なのかどうか決めることが大切です。


<参考文献>

産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020

J. Gunter. Genitourinary Syndrome of Menopause and the False Promise of Vaginal Laser Therapy. JAMA Network Open 2023 Vol. 6 Issue 2 Pages.


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(医師 鈴木 幸雄

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