「月経不順」 正常な月経と受診のタイミング ~思春期編~

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

毎月くるはずの月経。個人差があるといっても、何日までならずれても大丈夫なの?しばらく生理がきてなくて困ってはいないけど、受診は必要なの?今回は、思春期の月経不順と受診のタイミングについて産婦人科医の立場から答えます。

正常な月経周期とは?

「月経周期」とは、月経の初日から次の月経がはじまる前日までの日数のことをさします。正常な月経周期は、25-38日間で月によっての変動が6日以内のものをいいます。

25日より短い場合や、38日より長い周期の場合を「月経周期異常(月経不順)」と呼びます。そのなかでも特に90日以上月経が来ない状態を続発性無月経と呼び、特に受診が必要な状態です。

思春期の月経周期異常の原因は、生活習慣やホルモン異常などさまざま

月経の周期の長さと排卵の有無は密接に関連しています。排卵がなんらかの理由で起きていない場合や、遅れている場合に月経周期異常がみられます。初経から数年や閉経前の数年に多くの方で月経周期異常があるのは、そのためです。

思春期の排卵障害の原因としては、睡眠不足、精神的ストレス、過度な運動、ダイエットなどの生活習慣上の問題が少なくはありません。しかし、それ以外に甲状腺・視床下部・下垂体などから分泌されるホルモンの異常があることもあります。また、妊娠も月経が遅れる1つの可能性として考えておかなくてはいけません。

3か月以上月経が来ない場合はお近くの婦人科に相談を

月経が来なくて楽だ!と様子を見てしまっている場合も少なくないかもしれません。初経から2年以内の場合は、しばらく様子をみても問題ありません。それ以外の場合で月経が3か月以上来ない時は受診が必要です。

問診、超音波、血液検査などで原因を調べます。生活習慣など原因がわかるものは、それを改善することでもどる場合もありますが、ホルモン異常を伴う月経不順の場合は治療が必要なこともあります。
なお、3か月ほど間隔が空いていなくても、月経不順があり日常生活に不便がある場合や、頻回に月経があることで貧血症状がある場合などは、ぜひ相談してみてくださいね。

<参考文献>
・女性医学ガイドブック 思春期・性成熟期編 2016年度版 日本女性医学会編 金原出版株式会社.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 青栁百合

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