0歳で入園する前にこれだけは知っておいて欲しいこと!

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

やっと10ヶ月の妊娠期間を経て出産を乗り越えたと思ったら、今度は保活だ…と戦々恐々としている保護者の方々もいらっしゃるのではないでしょうか?かくいう私も保活を経験し、0歳児から保育園に預け仕事を再開した一員です。ここでは実体験を交えながら、0歳で入園する前にぜひ知っておいて欲しい内容をお届けします。

どこに預けたらいいの?妊娠中から始まる保育園探しのポイント

婚活、妊活に続いて第3の活動として有名なのが、「保活」です。保育園に入園させるための準備については、お住まいの自治体や保育園の種類(認可/認可外など)によって状況が大きく異なっています。

一般的な認可保育園の場合、新年度から入園するためには前年の10〜12月頃に入園申し込みをします。一方、年度途中からの入園の場合には、その前月に申し込みをする場合が多いですが、1〜3月は入園受付を行っていない自治体もあるので注意が必要です。出産予定日や職場復帰の時期によっては妊娠中に申込が必要な場合もありますので、まずは保育園に預けたい時期と申し込み期限の確認をしましょう。

次に、保育園選びです。
立地や定員、認可/認可外/小規模保育などの種類はもちろんですが、他にも選ぶポイントは多くあります。

・受け入れている月齢の下限(例:生後57日以降、6ヶ月以降、首が座ってから、など)
・預かり時間(出社・退社時間に間に合うか)
・休日保育や延長保育の可否と時間(園によって土日祝の保育や0歳児の延長保育を行っていない場合あり)
・何歳まで通えるか(認可保育園・認定こども園は5歳まで、地域型保育事業(小規模保育や保育ママ)は2歳まで、等)

認可外保育園の場合には、随時申し込みを受け付けていたり、入園基準も独自に設けている場合も多いので、各施設に直接確認をするのが確実です。
出産後は育児で保活の時間がなかなか取れない方も多いので、妊娠中から調べ始めるのがポイントですよ。

こちらのジャーナル
・チャイルドシートは子どもの命を守ります
・自転車同乗の際は、必ずお子さんにヘルメットの着用を
も参考になさってください。

卒乳・断乳は必要?入園に向けて栄養方法を考えましょう

それでは次に、入園後の栄養方法について考えていきましょう。入園前のお母様からよく聞かれる質問の一つが、「卒乳/断乳はどのように進めたらいいですか?」というものです。

一度保育園に預けると、卒乳/断乳しなくては…というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は必須ではありません。保育園に預けていない夜間や休日などに授乳を続けることもできます。就業中に乳房が張ってきた場合には、労働基準法に定められている育児時間(一日二回、少なくとも30分ずつ)や昼休みを活用して職場で搾乳して対応することも可能です。

断乳を迷っている方へ、「部分的な卒乳」という方法も参考になさってください。

また、もし離乳食が順調に進んでいる場合でも、1歳未満では食事以外に母乳/ミルクからの栄養補給も必要です。保育園では1歳になるまで、粉ミルクや冷凍して持参した搾乳を与える場合がほとんどです。もしも哺乳瓶での授乳を試したことがない、という場合には、入園前から少しずつ慣らしていく必要があるかもしれません。

また、母乳以外どうしても受け付けない、という場合には、入園予定の保育園で栄養方法について相談してみましょう。ミルクをスプーンやコップで飲ませる、離乳食を進めてそちらから栄養補給できるようにするなど、園や月齢によって様々な対策を一緒に考えてくれるかもしれません。

食物アレルギーのあるお子さんが保育園に入園する際に知っておいて欲しいことも参考になさってください。

3歳児神話は本当?保護者の方の心身の健康が第一です

父親が働き、母親が専業主婦として家庭で育児をすることが多かった一世代前までは、「3歳までは母親が家庭で子育てをした方がよい子に育つ」というような3歳児神話がまことしやかに囁かれたこともあります。親世代や周囲の方からの心ない発言に傷ついた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この神話には科学的根拠がありませんので、どうぞご安心ください。就学前に母親が働いていたかどうかによって、お子さんの知能や発達に影響が出るというようなことはありません。

むしろ、お母さんの心の健康や夫婦仲、育児の相談相手がいるかどうかといった要因の方が、子供の発達に関係があるとも言われています。昔からの噂話に惑わされず、保護者の方の心身の健康を第一に考えていきましょう。

また、第三者である保育士の視点でお子さんを観察・ケアしてもらうことで新たな発見があったり、よりお子さんに合った育児方法が見つかる可能性もあります。お子さんにとっても、社会性を身に着ける良い機会になるかもしれませんよ。

病気で登園できない病気になった場合の対応方法を家族で相談しておきましょう

集団生活を始めると、病気になる頻度は高まります。ここ数年、新型コロナウイルス感染症蔓延防止のために、ほとんどの園ではこれまでより厳しい預かり基準を設けています。発熱基準の引き下げや体調不良の判断の厳格化など、簡単に言うと、少しお熱が高め、少し風邪っぽいという状況で、すぐにお迎え要請がきて、翌日も登園中止となってしまう場合があるのです。さらに、自治体の病児保育や民間ベビーシッターの預かり基準も厳しくなっている場合が多いため、登園できない場合の対応に苦慮する場面が出てくることは想定しておく必要があります。

具体的には、
・近隣の病児保育や自治体/民間の病児シッターの有無と利用方法(事前登録が必要な場合あり)
・病児保育や民間シッター利用時の自治体による費用補助の有無と申請方法
・子の看護休暇や時間休暇など職場で利用できる制度の確認
・夫婦や近隣に住む親族間での対応方法の事前相談
・夜間休日も受診できる小児科の有無・診療時間や移動手段の確認
などが挙げられます。体調を崩す前に健康なうちから出来る限りの準備を進めておくと、何か起こった時にも安心ですね。

保育園デビューあるある「毎月風邪をひくんですが、免疫が弱いの?」も参考になさってください。

保育園選びから園での栄養方法の確認、病気になった時の準備まで、入園までにしておくといいことはたくさんありましたね。自治体の担当者や周囲の経験者への相談はもちろん、特にお子さんの栄養方法や体調については産婦人科オンライン/小児科オンラインでの相談もご活用ください。

<参考文献>
・Masumi Sugawara, ”Maternal employment and child development in Japan,” Applied Developmental Psychology: Theory, Practice, and Research from Japan, Shwalb, D. W., Nakazawa, J., & Shwalb, B. J. (Eds.), IAP Information Age Publishing. 2005, 225-240.

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 中村早希

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