再発をくりかえす尖圭コンジローマ、どんな病気!?

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

性感染症の中でも再発をしやすい「尖圭(せんけい)コンジローマ」への予防・対処方法を、産婦人科医の立場からわかりやすくまとめました。

尖圭コンジローマは性器にイボが多発する性感染症です

尖圭コンジローマは「性器イボ」とも言われ、性器や肛門周囲にザラザラ、ブツブツとしたものができることで気づくことが多いです。
見た目は、先のとがった白色~ピンク色の小さなイボでカリフラワーの様(もしくはニワトリのトサカ状)です。

ヒトパピローマウイルス(HPV: Human papilloma virus)の感染が原因で、主に6, 11型というタイプのHPVにより発症します。
感染力の強いウイルスで、尖圭コンジローマを持つパートナーと性交渉を行うと60-70%の頻度(平均で3か月以内)で発症してしまいます。

尖圭コンジローマの予防にはワクチン接種が有効です

感染力が強く再発率が高いため、まずはかからないように予防することが一番大事です。性交渉の際にはコンドームの装着が有効です。
また、HPV4価ワクチン(ガーダシル®)やHPV9価ワクチン(シルガード®9)は、同じくHPV感染で発症する子宮頸がんの予防に有効ですが、尖圭コンジローマも合わせて予防できます。

なお、尖圭コンジローマの原因となるるHPV6, 11型は「子宮頸がんの発症リスクは低いタイプ」ですので、尖圭コンジローマが、がん化することはありません。(ただし、6, 11型以外のがん発症リスクの高いHPVに同時感染している場合には、子宮頸がんの発症にも注意が必要となります)

尖圭コンジローマの治療には薬や手術など様々な方法があります

通常は5%イミキモドクリーム(べセルナクリームⓇ)というクリームを塗布してもらいます。クリームを使用すると約60%は病変が完全に消失し、その他の場合でもほとんどが縮小します。
副作用として、過敏症のびらん(皮膚や粘膜がただれて痛みを伴う状態)や発赤(皮膚が赤くなること)などを認めることがあります。

その他にも「レーザー蒸散」や「液体窒素による凍結療法」、「電気焼灼などの外科的切除」が治療の選択肢となります。

ご自身の免疫状態や病変の程度にもよりますが、数か月以内に20-30% の方で再発するとされています。外科的切除をしても同程度の再発率ですので、どんな治療でも再発しやすいというのが大きな特徴ということがわかります。

尖圭コンジローマは性交渉でうつる感染症です。一度治癒しても再発率が高いので、予防が重要です。

*参考文献
・Lacey CJ, et al. J Eur Acad Dermatol Venereol 2013; 27:e263.
・Stern PL, et al. Vaccine 2012; 30 Suppl 5:F71.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

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(産婦人科医 佐古 悠輔

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