妊娠中の水虫 –治療する上での注意点

水虫は、夏になると日本人の4人に1人程度にみられるありふれた病気です。もちろん妊娠中にも起こってしまうことがありますが、その治療には注意が必要です。

水虫は足だけでなく手や爪に発生することもあります

水虫の原因である白癬(はくせん)というカビは、ケラチンというタンパク質を栄養源に生きています。このケラチンは皮膚のあらゆる部位に存在しているので、足だけでなく手指や爪に感染することも珍しくありません。
ただし、口の中や目などの粘膜で覆われている部分に感染することはありません。

治療薬のうち飲み薬は妊娠中に禁忌とされています

水虫の治療には抗真菌薬(カビへの薬)が使用されます。大きく分けて内服薬と塗り薬がありますが、このうち内服薬は胎児への影響の懸念が強いため「妊娠中は禁忌」と添付文書に書かれています。
一方で、狭い範囲(足だけなど)への塗り薬は胎児への影響はほとんどないと考えられているため、治療のために使用されます。

市販薬を使用する場合も、処方薬と同様に塗り薬であれば安全です。ただし、かぶれる頻度がやや高いことや、なかなか治らない場合に「症状の原因が水虫ではなかった」という恐れがあるので注意しましょう。

日頃のケアで水虫を予防することも重要です

塗り薬は安全といっても、妊娠中はなるべく薬の使用を減らしたいもの。
水虫の最大のリスクは「長時間の白癬菌の付着」です。通気性の悪い靴を長時間履き続けないようにしましょう。また、毎日きちんと足を洗い流すことも大切です。
ただし、ゴシゴシと洗いすぎて足の表面に傷がつくと感染しやすくしてしまいます。よく泡だてた石鹸やボディソープで撫でるように洗うことがポイントです。

水虫はどんな人にも発生する可能性があり、妊娠中も日頃のケアが重要です。治療薬には注意が必要で、なかなか治らない場合には皮膚科の受診をお勧めします。
妊娠中も快適な生活を送れるよう工夫していただき、心身のストレスを最小限にできるといいですね。


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(産婦人科医 重見大介