妊娠中の温泉・海・プール ~安全に楽しむためのポイント

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

日本人はお風呂や温泉好きの人が多いですね。また、夏になれば、海水浴やプールといった水のレジャーの機会も増えてくると思います。
妊婦さんが水に関係するレジャーを行う際の注意点についてお伝えします。

温泉では長湯と水分不足に注意

かつては、妊娠中、特に妊娠初期と末期では温泉は避けるべきと考えられていました。
しかし、2014年に日本温泉紀行物理学会で「心拍数や体温上昇はあっても、危険性を示すものはなかった」と報告されました。それを受け、現在の温泉法では妊娠中でも入浴をして良いとされています。環境省からも、妊婦は温泉に入ってもいいと示されています。


ただし、脱衣所とお風呂場の温度差やお湯に浸かることによって血圧が急激に変動し、気分が悪くなったり立ちくらみを起こすことがあります。長湯は避け、入浴前後には十分な水分補給を忘れずに行いましょう。

温泉の泉質については、基本的には問題ないとされています。日本にある放射能泉を含めたすべての泉質において、温泉の成分そのものが妊娠に悪影響を与えるという根拠は明らかになっていません。しかし、一般的に妊娠中は皮膚が敏感になるため、体質や体調によっては皮膚に違和感を抱くことはあるかもしれません。

海水浴・プールでは転倒と体温調整に気をつけて

妊娠中の海水浴とプールに関しては、国によって考え方がまちまちです。
まず心配されることには、濡れた床、砂や波、サンダルでの転倒があります。もちろん熱中症に気をつけるのは言うまでもありませんね。水に入ることは思いのほか体力を消耗しますし、体温を奪います。温度や湿度で急に体調を崩してしまうこともあります。冷えからくるお腹の張りなどの体調の変化に十分気をつけましょう。 

マタニティスイミングは、主治医の許可のもと行いましょう。
①専門家が講師を務めている
②前後に体調チェックがある
③妊婦に適した水温管理や衛生管理がなされている
といった条件を満たす施設が望ましいかと思います。

気になる“感染症”のこと

妊娠中は免疫機能が低下しているため、一般的に感染症にかかりやすい状態といえます。温泉、プール、海、いずれにも共通することですが、水に浸かり不特定多数の人と共用するものが多い場所では感染症につながる可能性がないとは言えません。また、水やお湯の中で破水した場合には、腟から子宮内に細菌感染を起こすこともあります。
自衛策としては、タオルは持参する、床や縁に直接座らない、かけ流しを選ぶ、家族風呂があれば家族風呂を利用する、無理せず足湯を楽しむ、といったことがあげられます。

いずれの場合も、妊娠何週ならOK、何週はNGという明確な決まりはありません。妊娠経過が順調で担当医から許可が出た場合でも、「体調がいい時に、ひとりではなく、無理のない範囲で」が大切です。絶対の大丈夫!がない以上、最後は自己責任ということになってしまいます。
様々な心配に頭を悩ませてしまうよりは、妊婦さんご自身もご家族も、みんなが安心できる方法で楽しむことをお勧めしたいですね。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 竹中 絵理子

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