最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
よく耳にする「断乳」と「卒乳」という言葉。何がどう違うのかよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、断乳と卒乳の違いや方法、1歳未満の断乳・卒乳についてお話します。
断乳はお母さんの意思、卒乳は赤ちゃんの意思
断乳と卒乳は、赤ちゃんの意思で行うかどうかが大きな違いです。
断乳は、お母さんの意思や計画によって母乳を与えるのをやめることを言います。徐々に授乳回数を減らしていったり、ある日突然に母乳を与えるのをやめたりする方法がとられています。
卒乳は、赤ちゃんの意思で自然に母乳を飲まなくなることを言います。元来の意味では、赤ちゃんが母乳を欲しがらなくなるまで与え続けることを指します。しかし、最近は「卒乳」を少し違う意味で使われることも増えてきました。計画的に授乳回数を減らしていき、赤ちゃんがそれに抵抗せず、最終的に母乳を飲まなくなれば、それを「卒乳」と捉えている風潮もあります。
1歳未満の断乳・卒乳にはミルクを考慮
1歳未満でも様々な事情で断乳が必要な場合や、思いがけず卒乳する場合もあるでしょう。ただし、1歳未満の断乳・卒乳には、1歳以上での場合よりも工夫が必要となることが多いです。
1歳未満では、食べられる食材も限られていたり、まだ与えていない食材も多いことでしょう。このため、1歳未満で断乳・卒乳した場合、母乳の代わりにミルクを与える必要がある場合が多いです。1歳未満で母乳やミルクを飲まず、離乳食だけにするとエネルギーや栄養が不足してしまうことがあるためです。
もちろん、1歳以上でも離乳食の進み具合に応じてミルクを考慮しましょう。
ミルクの追加についてはこちらもご覧ください。
小児科オンラインジャーナル「牛乳はいつから?まずはフォローアップミルク?」
一般的に離乳が完了すると言われているのは、1歳から1歳半頃です。離乳の完了とは、単に母乳やミルクを飲んでいない状態を意味するものではなく、エネルギーや栄養の大半を食事から摂ることができるという意味です。(厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版))
徐々に母乳回数を減らすと赤ちゃんや乳房に優しい
断乳する場合、徐々に母乳回数を減らしていく方法だと、赤ちゃんや乳房への負担が少ないと考えられます。2-3日に一度くらいの割合で母乳回数を1回ずつ減らしてみましょう。
最後の1回の母乳をなくした後に、乳房が張ってくることがありますので、必要時に搾乳をします。ただし搾乳をしすぎると、新たに母乳が作られるため注意が必要です。
1日数回の母乳をいきなりやめると、赤ちゃんにも乳房にも負担になってしまいます。しかし、断乳を急ぐ場合は、助産師に相談して対処方法を教えてもらうと良いでしょう。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
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(助産師 河井恵美)