産後の授乳は3時間おき? 出産後から始まる授乳について

産後から始まる授乳。「母乳でやっていきたいと思っているけれど出るのか不安です」「授乳は3時間おきと聞いています」出産後のお母さんからよく聞かれる声のひとつです。これからどんな授乳スタイルになっていくのか助産師からお話します。

分娩後できるだけ早期に授乳を開始することで、母乳の分泌量が増える

プロラクチンという言葉は一度は聞いたことがあると思います。これはホルモンの一種で乳汁分泌の開始と維持に欠かせません。プロラクチンの濃度は分娩直後が最高でその後はゆっくりと低下しますが、乳頭刺激のたびに一過性の上昇を認めます。そのため、分娩後できるだけ早期に母乳をあげることで分泌量が増えていきます。

授乳しなければ、分娩後7日までに妊娠していない時のレベルまで低下します。そのため、お母さんが出血や傷の処置などを優先しなければいけない状況や赤ちゃんがNICUへ入院している時は、搾乳といって手や搾乳器を使用して乳頭刺激を行う必要があります。

産まれたばかりの赤ちゃんは、ほんの少しずつしか母乳を飲むことができない

産まれたばかりの赤ちゃんの胃の大きさはおよそ、さくらんぼ1個ほどです。想像しただけでも、少ししか飲みとれないのだなと思いますね。初乳といって、初めに分泌される母乳も、産後24時間で約20mlです。

この量を小さい胃で飲みとっていくためには、回数で稼ぐしかありません。そのため、1-2時間おきに授乳することもしばしばあります。「3時間おきの授乳って産後の友人から聞いていた」「こんなに頻回だと思わなかった」というお母さんも多いですが、産後のお母さんの母乳の量や赤ちゃんの胃の大きさからは致し方ないことかもしれません。

しかし、分娩で体力を使い、睡眠不足の状態が続いていることが考えられるので、夜中の眠い時間帯に頻回に授乳をすることはとても大変なことです。そんな時は入院している助産師と相談して、赤ちゃんを預かってもらったり、授乳のコツを教えてもらうと良いでしょう。

母乳栄養だけではなく、母乳メインの混合、母乳とミルク半々の混合栄養など、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができる

母乳が赤ちゃんにとって優しい栄養方法であることは言うまでもありませんが、直接母乳を飲ませる以外にも栄養方法はあります。
以下の3つの方法なども試してみましょう。

①搾乳した母乳を冷凍保存し、必要な時に解凍・湯せんして哺乳瓶を使用してあげる
・・・お母さん以外の人でも対応が可能になります。

②母乳メインで、お母さんが休息したい時などにミルクを使用する
・・・ミルクは母乳に比べると消化時間が少し長いため、赤ちゃんがまとまって寝てくれやすくなります。

③毎回母乳とミルクを併用しながら行う

母乳栄養希望だけれど、赤ちゃんが欲しがるほどは出ていないなど、母子共に軌道に乗るまでは、思うように授乳が出来ないこともあるかと思います。また、一人ひとり置かれた環境は異なりますし、サポート状況も異なります。お母さんや赤ちゃん、その家族が一番最適な方法で過ごしていけるように授乳方法を選択することはとても大切なことです。

正しい授乳姿勢や飲ませ方は、こちらの記事をどうぞ
母乳育児Q&A(1)ちゃんとおっぱい飲めているのかな?上手な授乳の3つのポイント


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(助産師 山中知里