肥満が月経異常や不妊の原因になることがある!?

肥満の方の約6割に月経周期の異常があるといわれています。肥満と月経、不妊の関係について解説します。

肥満が原因で月経周期が乱れることがあります

肥満が原因で、月経が来なくなったり、月経の間隔が長くなってしまうことがあります。

特に、短期間で体重が増加した場合に、月経不順となることが多いといわれており、理由としては、ホルモンバランスの異常など様々な因子が影響していると考えられています。

減量し適正体重になることで、月経周期が正常になることが多いです。適正体重とは、一般的にBMI19-25といわれています。BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の数値です。

適正体重になってもなかなか月経周期が正常にならない場合や、月経が来ない期間が長い場合は、薬を使って月経周期を調整することがあります。3か月以上月経が来ない場合は、婦人科でご相談されることをおすすめします。

肥満によって排卵しにくくなり、不妊に繋がってしまうことがあります

肥満により、卵巣の機能が低くなり、排卵できなくなったり、排卵のタイミングが不規則になることで妊娠しづらくなることがあります。こちらについても、減量することで排卵周期が整うことが多いです。

排卵しているかどうかは基礎体温の計測でもある程度予測はできますが、さらに詳しく知りたい場合は、薬局で排卵予測検査薬を購入したり、婦人科でエコーや血液検査をすることで調べることができます。排卵が正常に行われない場合には、薬を使うことで排卵をサポートすることがあります。

肥満は月経周期や不妊に影響することがあるので、気になることがあれば婦人科医師に相談してみてください。なお、キッズパブリックでは婦人科医師によるオンラインの相談窓口を提供していますので、お気軽にご利用ください。

<参考文献>

木内里世他:視床下部・下垂体性排卵障害.臨床婦人科産科, 65:465-473, 2011.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 大村美穂

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