最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
妊娠や出産は、配偶者やパートナーとの関係性を見直す機会になることが多いです。今後も一緒に生活していけるかどうか、一緒に子どもを育てていきたいかどうか、ぜひ一緒に考えてみましょう。
大声で怒鳴る、生活費を渡さない、避妊に協力しない、といった行為は全てDVです
ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence、DV)は、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある(あった)者から振るわれる暴力」という意味で使用されています。殴ったり蹴ったりする身体的なものだけでなく、大声で怒鳴ったり、生活費を渡さない、子どもに危害を加えるといっておどす、避妊に協力しない、嫌がっているのに性行為を強要する、といった行為もDVに含まれます。また、男女どちらも加害者・被害者になり得ます。
DV被害を受けても、約半数は誰にも相談できていません
最新の男女間の暴力に関する調査報告によると、女性の約4人に1人、男性の約5人に1人は配偶者から被害を受けたことがあり、女性の約 10 人 に1人は繰り返し被害を受けています。また、被害を受けたことがある家庭の約3割では、子供への被害もみられています。
しかし、男女とも被害を受けた人の約半数は誰にも相談していないと答えています。
パートナーとの関係にお悩みの方は、専門家に相談することができます
重要なのは、DV被害を受けているかどうかをジャッジすることではありません。あなたがパートナーからの行為をどのように受け止め、パートナーとの関係をどうしていきたいか考えることが大切です。
そのために、まずは、DVには様々な種類があること、そしてパートナー間で対等ではない力関係が出来上がってしまうとSOSを出しづらくなってしまうことを知りましょう。お子さんがいる場合に、関係性を変える(離婚など)ことが難しいと感じている方も多くいらっしゃいます。
パートナーとの関係にお悩みの方は、まずは専門家に相談してみませんか?
配偶者暴力相談支援センター(都道府県や市町村が設置する相談機関です)
DV相談+(プラス)(2020年に新設された事業。24時間の電話相談、メールやSNSによる相談も可能です。)
もちろん、産婦人科オンラインでも、お気軽にご相談いただけます。
<参考文献>
内閣府男女共同参画局、ドメスティック・バイオレンス(DV)とは
内閣府男女共同参画局、「男女間における暴力に関する調査報告書」令和 3 年 3 月
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 中村早希)