最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
2022年4月に施行された改正介護・育児休業法。特に「男性の育休」において大きな変化がありました。今回は改正のうち、特に話題となっている「育休の形態・期間」について解説します。
ポイント① 育休の分割が可能に
これまで育休は12ヶ月間を上限に、1回しか取得できませんでした。例外として産後8週間以内に父親が取得した場合「パパ休暇」として育児休業の再取得を認めるという制度になっていましたが、その後は父母ともに1回しか取れず、交代取得ができないなどの問題がありました。
今回の改正では父母ともに2回に分けて取得が認められ、夫婦で交代で取ったりと柔軟な運用が可能になりました。合計で12ヶ月間というのは変わりませんが、使い勝手が大幅に改善しています。
なお配偶者が専業主婦/主夫であっても制限なく取得可能ですし、重複した期間で育休を取るのも問題ありません。
ポイント② 新たに「産後パパ育休(男性版産休)」が創設
今回の改正の目玉は、何と言っても「産後パパ育休(出生児育児休業)」の新設です。
①で解説した育児休業とは別に、産後8週間以内に、合計28日間を限度として2回までに分けて取得できます。
つまり父親は産後8週までに2回、産後8週から1年までに2回、最高で4回の育休を取得できることになったのです。
またこの産後パパ育休では、休業中に条件付きで一部就業をすることが可能となり、スムーズな業務の引き継ぎなどにも便利な制度として設計されています。
ポイント③ それぞれのライフスタイルに合わせた育休を
これまでに比べ、大幅に使い勝手が良くなった育休制度。以前からある「パパ・ママ育休プラス」制度を使えば、夫婦で1歳2ヶ月まで育休を組み合わせて取得できますし、保育園に入れないなどの事情があれば、最大2歳まで延長が可能です。
これまでに比べ、よりそれぞれの家庭のライフスタイルに合わせた取得がしやすくなったといえるでしょう。
今回の改正で大きく変わった男性育休。今回紹介した他にも、新たに企業に対しても「意向確認」「取得率公表」が義務付けられるなど、大きく改善しています。是非上手に利用し、育児と仕事の両立を実現できると良いですね。
なお男性育休に関わる企業の取組ついて解説した、「変わる「男性育休」のポイント~企業も前向きな取り組みが必要~」、お母さんの制度について解説した「働くプレママが活用できる社会制度とは」についても合わせてお読み頂けますと幸いです。
参考文献
・厚生労働省. 「育児・介護休業法の改正について」.
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(産婦人科医・産業医 平野翔大)