最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
子育ては親だけがするものではありません。核家族や共働き世帯が多い現在、育児について祖父母に頼ることも多いのではないでしょうか。今回は大切な協力者である祖父母のみなさまにお伝えしたいことをまとめました。最新の子育て事情や育児サポートのコツについて、わかりやすくお伝えいたします。
母乳育児や離乳食など、子育て事情は日々変化しています
「赤ちゃんが泣くのは母乳が足りていないから?」
→赤ちゃんが泣く原因は様々です。厚生労働省によると、赤ちゃんにどのような関わり方をしていても、生後1~2か月頃に「泣きのピーク」を迎え、この期間は何をやっても泣き止まないことがあるとされています。しかし、泣きのピークは生後5か月ぐらいには徐々におさまってくるといわれています。
詳しくは、こちらの記事も参考になさってください。
泣き止まない赤ちゃんにはどう対応すれば良いの!? –助産師からのアドバイス
「お風呂上がりの湯冷ましは必要?」
→厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」では「母乳・ミルクは、ほしがるときに、ほしがるだけ与える」とされており、入浴後も欲しがる時には母乳やミルクを与えます。母乳やミルク以外の湯冷ましは、基本的には不要です。
「果汁や10倍がゆは必要?」
→前述のガイドラインでは「離乳開始前の果汁の栄養学的な意義は認められていない」とされ、おかゆについても10倍がゆでなく「つぶしがゆ」と記載されています。
抱っこや住居環境などの育児全般についても、新たな考え方が提唱されています
「泣いてすぐに抱っこしてしまうと、抱き癖がつくのでよくないのでは?」
→抱き癖は、抱っこされると安心することを学習し、抱っこしてくれる人との信頼関係を築くことができている証拠です。たくさん抱っこして問題ありません。
「手足が冷たいのは寒いのでは?」
→赤ちゃんの手足は衣服に覆われていないため、すぐに冷たくなります。さらに手足で体温調整をしているので、体幹が温かくても手足が冷たいということもよくあります。胴体の中心部である背中やお腹を触って、確認しましょう。
詳しくは、こちらの記事も参考になさってください。
子どもの情緒的要求に応じ「自己肯定感」を育むことが大切です
祖父母による子育てサポートでは、怒ったり甘やかすことよりも、子どもの気持ちを受け止めて共感することが大切です。
かわいい孫を目前にすると難しいことかもしれませんが、ありのままの孫を受け入れることで「自分は大切にされている」という自己肯定感が育ちます。
具体的には、子どもに安心感を与える「情緒的要求」に応じること(例えば、抱っこして、本読んで、宿題わからないから教えてなど、できないことに対することをサポート)をどんどん行っていただきたいです。
逆に「物質的要求」に応じること(お菓子やおもちゃなど欲しがるものを与えること)や、「過干渉」(自分で靴が履けるのに先に手を出してしまうこと)は控えましょう。
祖父母はあくまでも親子のサポート役です。
日頃から両世代ができるだけ交流を持ち、育児に対する考え方や、祖父母に期待することなどを理解し合うことが大切です。互いの良いところを認め合ったり、必要なところは修正しあいながら、家族皆で育てていきましょう!
親世代の皆様に読んでいただきたい祖父母との協働のコツについては、こちらの記事を参照ください。
育児の世代間ギャップを埋めよう 〜祖父母との良い関係を築くために〜
<参考文献>
厚生労働省「赤ちゃんが泣き止まない. 泣きへの理解と対処のために」
日本看護研究学会雑誌 Vol. 38 No. 1 2015 139「祖母の子育て体験と孫育てに対する意識との関連」
明橋大二/吉崎達郎(著)「子育てハッピーアドバイス ようこそ初孫の巻 孫が幸せに育つために」 1万年堂出版
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(助産師 小松由美子)