人工授精 ~治療内容と費用について~

最終更新日: 2024年3月27日 by 産婦人科オンライン

令和4年4月から人工授精が保険適用になりました。そもそも人工授精とはどういうものなのか、治療内容と費用について解説します。

人工授精の方法と対象となるケース

人工授精とは、精子を子宮内に注入する方法です。精子は洗浄し、濃縮してから注入します。この治療は排卵のタイミングに合わせて行います。排卵を促す薬を使うこともありますが、薬を使わずに自然な排卵のタイミングをみて行うこともあります。

この治療が効果的なのは、セックスすることが難しい方、腟内で射精することが難しい方、精子が少なかったり精子の動きが弱い方、などです。また、排卵の時期にセックスをする、タイミング療法を行っても妊娠しない場合にも検討されます。

人工授精の治療内容

排卵のタイミングを特定するために経腟超音波検査で卵巣の中の卵胞の大きさや子宮の内膜の厚さをみたり、血液検査でホルモンの値を測ったりします。具体的にどの検査をいつ行うかは治療院により異なるため、かかりつけに確認が必要ですが、一般的に通院は人工授精を行う前に1~2回のことが多いです。

排卵日前日、もしくは当日に人工授精を行います。処理した精子を、細いカテーテルを通して腟から子宮の中に注入します。一般的には痛みは少なく、麻酔は必要ありません。

排卵を促す薬を使う場合は、人工授精を行う前の月経が始まった日の数日後から使います。また、人工授精を行った後に黄体ホルモンの薬を使うこともあります。

人工授精は保険適用ですが、その他にも費用がかかることがあります

人工授精は保険適用になる治療です。3割負担であれば、人工授精自体の支払額は5,460円です。そのほかに薬の代金、診察に伴う代金の支払いがあります。
なお、保険適用になっていない薬を使用する場合や、保険適用にならない条件の場合は自費での支払いになり、その場合の治療費用は治療院により異なります。

参考文献
・一般社団法人日本生殖医学会. 生殖医療の必修知識2020. 
厚生労働省. 不妊治療に関する取組.


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(産婦人科医 大村美穂

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