最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
「産院退院時には母乳をあげた後でミルクを足すように言われたけれど、入院中と同じ量でいいですか?」「いつまで足す必要がありますか?」といった、退院後のミルク量についての相談を受けることがよくあります。今回は、混合授乳での具体的なミルク量の調整方法をお伝えします。
赤ちゃんが母乳をしっかり飲めているようなら、ミルクの量を減らしても大丈夫
まずは、授乳中・授乳後の赤ちゃんの様子を観察してみましょう。
母乳を飲めているサインとしては
①1日に8回以上母乳を飲む
②1日に5回以上薄黄色の尿をする
③授乳後不機嫌ではない(不機嫌になっても、抱っこをすると機嫌が治る)
④授乳後に乳房が軽く・柔らかくなる
⑤体重増加が順調である(生後0~3ヶ月では+25~30g/日)
⑥授乳中1秒に一回ペースで、ごっくんと喉をならして飲んでいる様子がある(小刻みにチュパチュパと音をたてながら飲んでいない)
これらのサインがみられる場合は、母乳を十分に飲んでいる可能性が高いので、ミルクを減らしてみましょう。また、母乳後ミルクを追加するとよく吐いてしまうという場合も、母乳量が足りている可能性があります。まずは、お子様をじっくり観察してみてくださいね。
ご自宅での体重測定方法については、こちらのジャーナルを参考になさってください。
外出できない時に!自宅で赤ちゃんの体重を確認する方法
1日の合計ミルク量から、50mlずつを目安に減らしてみましょう
赤ちゃんがしっかり母乳を飲めていることが確認できたら、ミルクを減らしてみましょう。
①1日(24時間)あたりの合計ミルク量から50ml減らす。10mlを5回に分けて減らしてもいいですし、25mlを2回に分けて減らしてもいいです。ご自身の生活スタイルにあった方法で実践してみてください。
②1日あたり50ml減らした量のまま、2−3日続ける。
③ミルク量を減らしても赤ちゃんが満足している様子であれば、そのまま継続する。
このように、①から③を繰り返してみましょう。
ミルクを減らしていくときは焦らず赤ちゃんのペースで進めましょう
ミルクを減らしていく過程で、授乳後何をしても泣き止まない・赤ちゃんが常に口をぱくぱくしておっぱいやミルクを欲しがっているような場合には、それ以上ミルクは減らさず1週間程度様子を見てみましょう。
それでも改善しない場合は、ミルクを減らし始める前の量に戻してください。
焦らず、ゆっくり進めていくことが大切です。
なお、上記の流れはあくまで一般的な目安です。お子様の出生体重や母乳・ミルクの量などによって、個人差があります。ご不安な場合はぜひ産婦人科オンラインへご相談ください。他にも、乳幼児健診や予防接種などの機会にかかりつけ医や保健師などにご相談いただくのも一案ですね。
*参考文献
WHO:母乳育児支援ガイド
日本ラクテーションコンサルタント協会:母乳育児支援スタンダード 医学書院
厚生省:乳幼児身体発育 評価マニュアル
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 小堀千辺)