さようなら、ワンオペ育児!パパのための育児入門

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

産前産後の夫婦間のコミュニケーションについて考えたことはありますか?24時間ノンストップで進行する家事育児を乗り越えるために、家族で協力体制を築くことはとても大切です。

今回は、仕事をしながら妊娠期や育児になるべく関わりたいと思いつつも、どのように考えたり行動したりしていいかわからない男性パートナーへ向けて具体的なアドバイスをお伝えします。

パパが育児に参加することで、子どもや家族、そしてパパ自身にも多くのメリットがあります

パパの育児参加によって得られるメリットには、大きく2パターンあります。

1)子どもの認知面や内面に良い影響があります。

・子どもの認知能力(基礎学力、知識など)や非認知能力(やる気、粘り強さ、コミュニケーション能力など)にポジティブな影響がある

・パパとママ、両者からの愛情を受けることにより、子ども自身が必要とされていると感じ、自己肯定感が向上し、問題行動を起こしにくくなる

2)家族間の関係やパパ自身にも、良い影響が得られます。

・パパへの感謝の気持ちが生まれ、家族皆が互いを労わることができる

・パパがママの気持ちを理解し寄り添うことで、男性には乏しいとされる他者に共感する力を養うことができる

パパのできる子育ては妊娠期から!

自身の働き方改革&間接育児を駆使してみましょう

妊娠期からパパが一緒に家事をしたり、健診や両親学級に一緒に付き添うことは、妊娠中から子育てに関わることを意味しており、ママの大きな支えとなります。

パパ自身の働き方を見直し、まずは定時帰宅を目指しましょう。男性の育児休暇取得も法律で認められています。少しでも家にいられる時間を長くして、自宅での役割分担を明確にしましょう(できれば妊娠中から具体的な分担を話し合っておくと良いですね)。

もし直接的に育児ができない時には、まずは「家庭内の仕事でできることを」というのが間接育児の考え方です。どうしてもお子さんが起きている間に帰宅できない場合は、夜間や早朝、休日にでもできる家事を積極的に行いましょう。

役割を担ったら、最後までやり遂げることも大切です。例えば入浴は最後の片付けまで行い、お子さんが泣いたときの対応は、泣き止むか寝付くまで諦めないことです!

パパが育児に関わるモチベーションを保つには、ママの理解を得ることや、第三者の力を借りることが大事!

慣れない家事・育児だと、思い通りにできないこともあるかもしれません。そんな時には、そっとママの方法を覗いてみましょう。「ママ、上手だね。いつも頑張ってくれてありがとう。」そんな言葉をかけると、疲れたママの心も少し和らぐかもしれませんね。

仕事が忙しくて育児の時間がなかなか取れないことも多いでしょう。残念ながら、一般的にはパパの方がママよりも子どもと一緒に過ごせる時間が短いことが多いです。今この時期の子どもの成長は、その時にしか感じることができません。

ぜひ、二人で協力し、大変な時はベビーシッターやヘルパーなどのサービスを利用し、他者の力を借りることも必要です。ぜひお互いの気持ちを理解し労わり合って、この時期を乗り切って欲しいと願っています。

パパはママにはなれませんし、ママの代わりでもありません。

パパにしかできないこと、パパだからできることが実はたくさん存在します。

直接子どもと関わることだけが育児ではありません。直接子どもに関わる機会が物理的にも時間的にも多いママの心の負担を軽くし、家族の笑顔を増やすことこそが、パパにとっての最高の育児ではないでしょうか。

<参考文献>

高濱正伸.父親ができる最高の子育て.ポプラ社.2017.

VERY BOOKS.出産前の友達よりも心配な友達の夫に送る100の言葉.光文社.2020.

加藤 承彦.父親の育児参加が母親,子ども,父親自身に与える影響に関する文献レビュー.日本公衆衛生雑誌69 巻 (2022) 5 号.

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 小松由美子

SNSでシェア