最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
卵巣の腫れは自覚症状が無いことが多いですが、大きさによっては妊娠する前に手術が勧められたり、不妊の原因になったりすることがあります。今回は、卵巣に関係した病気で妊活を始める前にチェックしておきたいものを解説します。
卵巣の腫れは自覚症状が無いことが多い
卵巣が腫れている場合、
①腫瘍(何かが詰まっていて腫れているもの)
②のう腫(水分が溜まって腫れているもの)
の2つに大きく分かれます。
どちらも多くは良性で、最初は症状が出ないことが多いです。症状としては、下腹部が出てくる、お腹が張った感じがする、胃や腸が圧迫されるなどがあります。これらの症状があるときは、いちど卵巣が腫れていないかチェックをお勧めします。
成熟奇形腫は大きさが重要
頻度が多い卵巣腫瘍の原因に、成熟奇形腫やチョコレートのう胞があります。成熟奇形腫は、卵巣の一部が腫れて脂肪や毛髪などの成分が入っているものです。ほとんど良性ですが、サイズが大きいと突然捻転(ねんてん:捻れること)して痛みが出ることがあり、妊娠前に手術が勧められる場合もあります。
チョコレートのう胞は不妊や生理痛の原因になる
チョコレートのう胞は、子宮内膜症の病変が卵巣の中に発生するものです。卵巣に生理の血が溜まって腫れてしまいます。生理痛や不妊の原因となります。卵巣のう胞の大きさや不妊の有無で手術をするか相談します。
卵巣の病気は無症状のことが多いですが、サイズが大きいものは妊活前に手術を相談することがあります。お腹の張りや生理痛がひどいときは、産婦人科を受診することをお勧めします。
*参考文献
・日本女性心身医学会(卵巣の良性疾患)
・ヘルスケアラボ(子宮内膜症)
・ACOG(Ovarian cysts)
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。
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(医師 柴田綾子)