将来の妊娠のために今からできる「プレコンセプションケア」について知っておきましょう①

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

皆様の人生プランの中に、「妊娠」はありますか?将来の妊娠に向けてより良い健康状態でいられるために「プレコンセプションケア」という概念があります。

妊娠を計画している方も、まだ先の方も、将来の妊娠に向けて今から準備できることがあります

「プレコンセプションケア」は、2006年に米国から提唱された比較的新しい考え方で、「妊娠する前から心身ともに健康な状態を目指し、女性自身や子どものより良い将来のために、多方面からリスクを見つけ、改善に向けて専門的な介入を行うこと」をいいます。
また、日本国内では、2015年に国内初のプレコンセプションケア外来が国立成育医療研究センターに設立されてから、徐々に普及してきています。

近年では、特に高齢化による不妊・合併症妊娠の増加、女性のやせ傾向による低出生体重児の増加などが問題になってきているため、プレコンセプションケアは現代の女性にとって知っておくべき概念といえるでしょう。

プレコンセプションケアには様々な項目(人生設計、生活習慣、性感染症、持病など)が含まれます

プレコンセプションケアは、様々な内容が含まれています。生活習慣の改善などご自身で対応できるものもありますが、詳細な内容は病院やクリニックなどで検査が必要となります。

一般的なプレコンセプションケアの内容としては、主に以下の項目があります。検査の種類はたくさんありますので、どの検査まで行う必要があるかは担当医と相談すると良いでしょう。

・具体的な人生プラン(いつ頃妊娠を希望するか、避妊方法は正しいかの確認)
・食事、生活環境(栄養・アルコール・喫煙など)
・ストレス
・身体測定(肥満・痩せなどのリスクを確認)
・血圧測定
・尿検査
・血液検査(健康状態・風疹などウイルスの抗体の有無について確認)
・画像検査(腹部超音波検査・骨密度測定)
・婦人科検査(経腟超音波検査・クラミジア感染症検査・子宮がん検診)
・現在の持病や使用中の薬について

プレコンセプションケアは思春期を迎えた女性であれば、いつでも行えます

プレコンセプションケアは、思春期を迎えた女性であれば、すぐの妊娠を望まない方、未婚の方、学生であっても誰でも行うことができます。どんなプレコンセプションケアが必要となるかは、人によってそれぞれです。
また、恋人(パートナー)が変わるタイミングで感染症などの検査を受ける、というのもプレコンセプションケアの一つの方法です(この場合は男性側も検査が必要です)。
若いうちに、ご自身の健康状態を把握し、必要な知識を得て、将来に向けて意識することはとても大切です。

このように、プレコンセプションケアは、全ての女性にとって必要なものです。興味がある方は産婦人科の病院やクリニックに相談してみましょう。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(産婦人科医 尾市 有里

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