最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
デリケートゾーン(外陰部)は生理や性行為などの影響で様々なトラブルが起こりやすい部位です。日頃のケアが大切な理由はこちらの記事で解説しました。
今回は、日頃の衛生ケアのポイントを3つご紹介します。
1.外陰部は毎日優しく洗いましょう
国際的なガイドラインでも、外陰部を毎日洗って清潔に保つことは大切だと言われています。汗や腟分泌物(おりもの)、尿などを洗い流すことで皮膚と腟の入り口をきれいにしましょう。
ただし、注意点として
・優しく洗う(ゴシゴシ擦らない)
・腟の中まで洗う必要はない
・低刺激性のボディソープ(液体洗剤)を使う
などが重要です。
ゴシゴシ洗ってしまうと、外陰部の皮膚が荒れてしまい、皮膚トラブルの原因となってしまいます。
また、腟内洗浄はその医学的なメリットはなく、逆に感染のリスクを増加させる危険性があります。
2.通気性をよくしましょう
外陰部は下着に密着し、外気が流れ込みにくい部位のため、通気性が悪くなりやすいです。
通気性が悪いと、汗や尿による刺激が増したり、皮膚表面の温度や湿度、pHが上昇してしまい、外陰や腟内の正常細菌を乱してしまう恐れがあります。
特に生理の時期は、通気性が悪いと皮膚への刺激が強くなりやすいです。
・ナプキンをコットン100%のものにする
・ナプキンではなくタンポンに変える
などの工夫で、生理時のデリケートゾーンのかゆみが軽くなることもあります。
タイトな下着やタイツを避けることも有効です。
3.洗浄には弱酸性・低刺激性の製品を使いましょう
デリケートゾーンの正常な細菌やpHを保つため、洗浄に使う製品の選び方も大切です。
基本的には、
・弱酸性
・低刺激
・低アレルギー性
を併せ持った製品がお勧めです。
なお、「デリケートゾーン専用」や「オーガニック成分のみ」と書かれていても、上記の条件を満たしていなければトラブルの原因になってしまいやすくなります。
必ず、自分自身でも成分などを確認して選ぶようにしましょう。
デリケートゾーンを衛生的に保ち、かゆみやおりもの異常などのトラブルを避けるため、日頃から気をつけてケアしていきましょう。
*参考文献
・Chen Y, et al. Role of female intimate hygiene in vulvovaginal health: Global hygiene practices and product usage. Womens Health (Lond). 2017 Dec;13(3):58-67.
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(産婦人科医 重見大介)