授乳中にタバコがやめられない…母乳とミルク、どっちがいいの?

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

授乳中にどうしても喫煙をやめられず、お悩みの方もいらっしゃるかと思います。赤ちゃんへの悪影響を最小限に抑えるための母乳とミルクの選び方をお伝えします。

大前提として、妊娠が分かったら禁煙しましょう

妊娠がわかったら、出来るだけ早く禁煙しましょう。

妊娠中に喫煙することで、母子へのリスクが多数報告されています。
・早産
・妊娠高血圧症候群
・常位胎盤早期剥離(子宮内で胎盤が剥がれてしまう)
・低出生体重児の増加
・先天性異常の増加
など

出生後にも子どもへの悪影響が多くあります。
・赤ちゃんの中毒症状(不眠、おう吐、下痢、頻脈など)
・乳幼児突然死症候群の増加
・気管支炎や肺炎
・喘息
・中耳炎や難聴
など

電子/非加熱タバコでも、喫煙と同じように悪影響が出てしまうと考えられています。思い立った時からでも決して遅くありませんので、禁煙しましょう。
どうしてもやめられなければ、出来るだけ本数を減らしましょう。

妊娠中の喫煙については、こちらもご参照ください。

授乳中に喫煙してしまった場合、ミルクより母乳をあげましょう

タバコに含まれるニコチンなどの化学物質は、母乳を通じて赤ちゃんに移行し中毒症状を起こしたり、ニコチン自体が母乳分泌を低下させてしまうため、授乳中の喫煙は大変危険です。

しかし、どうしても禁煙できず授乳する場合には、ミルクより母乳をあげる方が良いでしょう。
これは、喫煙をしている場合でも、ミルクに比べて母乳を飲ませた方が、母乳栄養のメリットを受けられるので良いと報告されているためです。米国のCDCという公的機関も、母乳を推奨しています。

母乳のメリットについては、こちらをご参照下さい。

副流煙からお子さんを守りましょう

家族や友達に喫煙者がいる場合、お子さんが副流煙にさらされないようにすることがとても大切です。室内や車内では決して喫煙しないようにしてください。

喫煙後は服を着替え、手を洗ってから、お子さんに触れましょう。また、喫煙者とお子さんが一緒に寝ないようにすることで、乳幼児突然死症候群のリスクを減らすことができると言われています。

禁煙は簡単でないと思いますが、赤ちゃんにとって安全な環境を作るため、是非挑戦してみてください。また、やむを得ず喫煙する場合でも母乳を続け、こまめに手洗いや着替えを行うなどして、少しでもタバコの害を減らしていきましょう。

*参考文献
CDC.Tobacco and Electronic Cigarettes.
NHS. Breastfeeding and smoking.
日本産婦人科医会. 飲酒、喫煙と先天異常.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 中村早希

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