産後の体重・体型を戻すには?  〜今日から始める運動&食事の工夫〜

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

産後に体重や体型が戻らない!とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。育児しながらの運動や食事の工夫など、できることを考えてみましょう。

産後の体型崩れは、妊娠中の体重増加や姿勢の変化、脂肪の蓄積などが原因です

産後の体型崩れの原因は、妊娠中の体重増加や姿勢の変化、脂肪の蓄積などが挙げられます。妊娠中の適切な体重増加は望ましいことですが、必要以上に増えると落としにくくなります。

また、妊娠中は大きくなった子宮による骨盤内の圧迫や重みによって姿勢が変化します。さらに産後は出産時の骨盤底筋や会陰へのダメージ、授乳・抱っこによる偏った体の使い方などによって姿勢が変化しがちです。姿勢が悪い場合、二の腕などに脂肪がつきやすくなるという報告もあります。他に、肩こりや腰痛などの症状が出る方もいらっしゃいます。

運動の目安は産後1~2か月から始め、1週間に4~5回「ややきつい」と感じる程度です

体重減少が期待できる運動の目安は、産後1~2か月から、1週間に4~5回、「ややきつい」と感じる程度の運動です。
やや太り気味の産後女性を対象にした研究で効果が認められた運動には、エアロビクス45分間を週4日で2か月半続けたものや、1週間で合計150分程度のウォーキングを1か月間続けたものがあります。また、運動だけでなく、カロリー制限などの食事療法を同時に行うことが効果的だという報告もあります。

まずは、姿勢改善やストレッチ、食事の見直しからはじめましょう

産後は、夜間の授乳や育児・家事に追われ、まとまった時間をかけて運動するのは難しい方が多いと思います。また、生活リズムが崩れることで、1日3食とることができず、間食が増えたり、ストレスで暴飲暴食になったりしがちです。育児をしながら自分の生活を整えることはなかなか大変ですが、まずはできる範囲での運動や食事の見直しをしてみましょう。腰痛などの辛い症状が和らいだり、気持ちをリフレッシュできるかもしれません。

授乳の時、猫背になっていませんか?クッションや椅子の肘置きをうまく使い、猫背にならないよう、正しい姿勢を心がけましょう。また、育児の合間やお風呂上りに、背中や太ももなど全身のストレッチから始めてみましょう。呼吸を止めずに首や肩を大きく回す、手を組んで背伸びをする・体の側面を伸ばすなど、気持ちよく身体をほぐしてみましょう。また、バランスのいい食事をとり、高カロリーの間食を避けるなど、日々の生活を見直してみましょう。

*関連ジャーナル
産後の身体をケアした方がいい3つの理由 –産後リハビリの重要性
妊娠中・産後に尿漏れ、どうしよう!なぜ起こる?予防できるの?骨盤底筋運動のススメ

*参考文献・ウェブサイト
軽部薫ら. 産後 1 ヵ月と産後 4 ヵ月における姿勢と体形の変化. 母性衛生= Maternal health, 2009, 50.2: 293-299.
Amorim Adegboye AR, et al. Diet or exercise, or both, for weight reduction in women after childbirth. Cochrane Database Syst Rev. 2013;(7):CD005627.


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(助産師 中村早希

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