婦人科検診をわかりやすく解説(後編) 〜子宮体がん検査と卵巣がん検査〜

日本では、子宮頸がん検診については「20歳以上の女性は2年に1回」、乳がんについては「40歳以上の女性は2年に1回」の検査が推奨されていますが、子宮体がんと卵巣がんは定期検診に含まれておらず、オプション扱いです。
産婦人科医の立場から、子宮体がんと卵巣がんの検査についてわかりやすく解説いたします。

一般的ながん検診は簡易な「ふるい分け」のため

通常、がん検診は、健康な人と、多少でもがんの可能性が疑われる人を見極めてふるい分けることを目的として実施されています。
詳しい一次検診の内容はがんの種類によって変わりますが、子宮頸がん検診では細胞診、乳がん検診だとX線検査(マンモグラフィー)検査となっています。(子宮頸がん検診と乳がん検診について詳しくは前編をご覧ください。)そして、一次検診で疑いがあった場合には、さらに詳細な検査を行います。

一次検診が「定期検診」になるか、「オプション扱い」になるかは、主にこの「ふるい分け」の精度によって異なります。

子宮体がん検査はオプション扱いです

子宮体がん検査は子宮鏡を腟に挿入して、子宮内の奥に細いチューブやブラシを入れて、子宮内膜の細胞を採取します。細胞を採取するときに、個人差はありますがチクッとした痛みを感じる場合があります。また、おりものが茶色くなったり、一時的に出血することがありますが、数日で自然に消えます。

子宮体がん検査は定期検診にはなっておらず、オプション扱いです。理由としては、痛みや出血を伴い、検査を受ける方の負担がある一方で、不正出血などの自覚症状がない方に検査を行っても、がんが見つかる頻度が低い(=ふるい分けの精度が低い)ことが挙げられます。

卵巣がん検査も同様にオプション扱いです

卵巣がんについては、定期的な検診を受けることで死亡率を下げるという有効性は証明されていないため、定期検診には含まれていません。
卵巣がんの検査をする場合、直接細胞の採取はできないので、基本的には経腟超音波検査で行います。経腟超音波検査で、異常な卵巣の腫れが見つかれば、MRI検査など精密検査が検討されます。

なお、超音波検査では、がんだけでなく、良性の卵巣疾患も発見できます。
ご不安がある方は、子宮頸がん検診の際に超音波検査をオプションで併用するのもいいでしょう。

子宮体がんや卵巣がんは定期検診に含まれていませんが、不正出血やお腹の腫れを自覚した場合には、ぜひ早めに産婦人科を受診して検査を受けてくださいね。


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

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(産婦人科医 大村美穂