最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
妊娠から産後に渡ってママや赤ちゃんのサポートを行う助産師。一言に助産師と言っても、助産師免許に加えて、専門性を高めるための資格や認定が様々あります。その中の一つ、アドバンス助産師についてご紹介します。
2015年より新たにスタートした、助産師の知識や技術を認証する制度
助産師が活躍する場は病院・助産院・地域など様々あり、その経験や知識・能力も様々です。しかしながら日本では助産師免許は更新制ではありません。そのため助産師一人ひとりのスキルや知識がすぐにはわかりにくいという課題がありました。そこで2015年に、助産師の実践能力を審査し一定水準に達していることを認証する制度が設けられました。この認証を受けた助産師を“アドバンス助産師”といいます。
この制度は、
①ママや赤ちゃんに対して良質で安全な助産とケアを提供できること
②助産師が継続的に自己啓発を行い専門的能力を高める機会とすること
③社会や組織において助産師の実践能力を客観視できること
を目的として作られました。
アドバンス助産師=実践能力が一定水準以上であると認証された助産師
アドバンス助産師になるためには、助産師としての実務経験が5年以上、分娩介助件数が100件以上など、妊娠〜産後・新生児のケア全般にわたって一定以上の実践経験が必要です。また、これらに加えて、妊娠出産に関わる専門知識、メンタルヘルス、新生児の蘇生や母体の救急対応など、幅広い分野についての研修を受け、最新の知識を習得していることも申請条件となっています。
これらの条件を満たし、書類審査と試験に合格すると、アドバンス助産師として認証されます。
アドバンス助産師は全国に9千人
認証制度は2015年にスタート。現在アドバンス助産師は全国に約9000人(2023年現在)おり、その人数は年々増えています。この認証は5年ごとの更新制で、更新のときにも実践経験を含めた条件が設けられているため、認証取得後も知識や技術のアップデートが必要です。
妊娠出産に関する医療は日々進歩しています。この進歩の中で知識や技術のアップデートをすることは、ママや赤ちゃんにとって最適なケアを提供することにつながります。
ただし、一定の水準を満たしていることは確かですが、まだこの資格が国内で十分に普及しておらず、「未取得=質が高くない」ことではありません。今後の適切な普及と質の向上が期待されています。
アドバンス助産師は、ママや赤ちゃんにとって良質なケアを提供するための幅広い知識や技術を持った助産師といえるでしょう。
病院内で「アドバンス助産師」という言葉を見かけた際は、思い出してみてくださいね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 山田あき)