逆子体操にはデメリットも–逆子と言われた時の正しい対処法とは

妊娠中に逆子(骨盤位)と言われてしまい、不安になってしまう妊婦さんは少なくありません。
今回は、これまでにわかっている逆子の対処法の有効性や危険性、また逆子についてどのように考えていけば良いのかを解説します。

逆子で問題になるのは分娩方法

逆子とは、お腹の中にいる赤ちゃんがお尻または足を下(子宮口の向き)にしている状態のことです。お腹にいる間は、羊水にぷかぷか漂っている状態なので、赤ちゃんがどんな向きでいても元気さなどに問題が起こることはありません。

ただ、出産のときも逆子のままだと問題が出てきてしまいます。過去の大規模な研究で、「逆子のまま経腟分娩を行うと新生児の死亡や合併症のリスクが上がる」ことが明らかになっています。
そして、これは予定した帝王切開によってそのリスクを避けられることもわかっています。
このため、妊娠末期で逆子の場合には、分娩方法について担当医から説明があり、予定帝王切開を選択することが一般的です。

妊娠末期で逆子のままなのは3-4%だけ

それでは、実際どの程度の妊婦さんで逆子となってしまうのでしょうか。
妊娠末期(陣痛がいつおきてもおかしくない時期)で逆子と診断されるのは、全妊婦の3-4%程度しかいないことがわかっています。

ただし、妊娠末期までは、赤ちゃんがまだ小さく、羊水の中でいつもくるくる回っているため、超音波検査をしてみたら「たまたま逆子の状態だった」ということは珍しくありません。
例えば、妊娠20週台ではおよそ半数の妊婦さんが逆子と言われることがあるとも考えられています。

妊娠中期に逆子と言われても、ほとんどの場合には妊娠末期に自然と通常の向き(頭位)に戻ってくれるのです。

逆子体操はお勧めされていません

それでも、妊娠中に逆子であることがわかり、30週を超えても直らないと不安になってしまいますよね。
逆子を直す方法として有名なものに、
・逆子体操
・外回転術
があります。

逆子体操は、仰向けで腰を上げた姿勢を保つなどして赤ちゃんが回りやすくなることを期待する方法です。ただ、世界中の研究によっても逆子が直る確率は変わらず、かつ無理な姿勢によるデメリットも指摘されているため、海外諸国でも推奨されていません。

外回転術は、医師が厳重なモニター管理のもとで、妊婦さんのお腹を手で押して赤ちゃんを回転させる方法です。一般的に成功率は60-70%程度とされていますが、全ての病院で実施できるわけではありません。また、非常に稀ですが、手技によりお腹が張ってしまったり赤ちゃんが苦しくなったりして、結果的に早産となってしまうリスクがあります。
外回転術を希望する場合には、まずかかりつけの医師によく説明を聞いて、相談してみましょう。

今回は逆子について詳しく解説しました。
妊娠末期には、最終的に3-4%しか逆子にならないこと、昔から慣習的に実施されてきた逆子体操は有効でないこと、外回転術の有効性やリスクについて、ぜひ覚えておいてください。そして、妊娠末期まではなるべくリラックスした気持ちでお過ごしくださいね。


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(産婦人科医 重見大介