最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
妊娠中の皮膚の変化は、ホルモンバランスの変化やお腹の膨らみなどによって、どんな方にも出てくる可能性があります。普段の健診ではあまり先生に聞きにくいことでも、気になるのは当然。今回はニキビへの対策についてまとめました。
ニキビは妊娠中のよくあるトラブルの一つです
多くの女性は、妊娠中にニキビを経験すると言われます。もともとニキビがあった方は、個人差もありますが、悪化しやすい傾向があります。
そもそもニキビは皮膚の慢性炎症性疾患と位置付けられます。皮脂(皮膚のあぶら)の分泌が多いことと毛穴の先が詰まることで、毛穴の中に皮脂がたまりニキビが発生します。この内部にアクネ菌が増えてくると、炎症を起こして赤いぶつぶつしたニキビや膿がたまったニキビができてしまいます。
ニキビの治療には日々の工夫が大切です
もしニキビができてしまったら、以下のような対策が有効です。(ただし全員にとって最適とは限らないので、肌質との相談も重要です)
・洗顔を1日に2回行い、このときには刺激性の少ない洗顔料と生ぬるいくらいのお湯を使いましょう
・オイリーな髪質の場合は、毎日洗髪し、顔に髪がかからないよう注意しましょう(髪の保湿をしたい方は、お団子にするなど工夫をしてみましょう)
・ニキビの部分を掻いたり潰したりしないようにしましょう
・化粧品はオイルフリーのものを使いましょう
市販の薬でも使用できるものがあります
下記の成分を含んだ市販薬は、妊娠中でも使用が可能です。
・過酸化ベンゾイル(Topical benzoyl peroxide)
・アゼライン酸(Azelaic acid)
・サリチル酸(Topical salicylic acid)
・グリコール酸(Glycolic acid)
上記の成分は治療効果が比較的期待できるとされているため、ニキビの改善を目的に選ぶのであれば、これらの成分が含まれているものを選ぶようにしてみてください(ただし肌質に合わない場合は使用を避けてくださいね)。
ニキビがあってもメイクをすることは問題ありませんが、赤くなったニキビを隠すために、ニキビの上に化粧品を塗り重ねることはお勧めしません。絶対にダメな化粧品はありませんが、刺激性の強いものは避けましょう。
さらに詳しく知りたい方は、日本皮膚科学会によるウェブサイトにも役立つ情報がたくさん載っていますので参考にしてみてください。
妊娠中の皮膚トラブルは、いわゆるマイナートラブルとして扱われます。お母さんや赤ちゃんに重大な影響は及ぼしませんが、やはりストレスの一因になってしまいますし、目立つニキビはなるべく無くしたいもの。ぜひ、適切な方法で対策をしてくださいね。
色素斑や妊娠線についてはこちらをご参照ください。
「妊娠中にできる色素斑(シミ)と妊娠線の対策とは?」
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師・助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(産婦人科医 重見大介)