最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
断乳を考えるとき、様々な理由があることでしょう。ここでは、「仕事を始めるから断乳しないといけないけど、もう少し母乳をあげたい」といったような葛藤をされている方へ、「部分的な卒乳」という方法をお伝えします。
仕事を始めるからといって、完全に断乳する必要はありませんよ。
仕事中だけの「部分的な卒乳」
「仕事を始める=断乳する」と考える方も多いと思います。赤ちゃんにかかりきりになれないため、完全に母乳を与えないという方法で良い方は、もちろんそれで問題はありません。
でも、「もう少し母乳を与えたかった」と断乳に抵抗がある方は、部分的な卒乳をしてみてはいかがでしょうか。母親が仕事の間だけ卒乳し、帰宅して母乳を与えられる時間は赤ちゃんに合わせて母乳を与えるのです。
例えば、日中に仕事をしている方だと、夕方〜朝方にかけて自分ができる時に母乳を与えます。母子の状況に応じて、母乳を与える回数は様々ですし、乳房の状態によっては仕事中に搾乳が必要なことがあります。
休みの日は一つの方法にこだわらなくてもいい
仕事の日は部分的な卒乳で大丈夫だったとしても、「休みの日はどうすればいいんだろう」と疑問に思うかもしれませんね。
休みの日は、お父さんに搾乳やミルクを与えてもらうといいでしょう。これまで完全母乳だったご家庭は、お父さんが授乳をするチャンスです。
または、お母さんがよければいつでも母乳を与えて構いません。平日のスケジュール通りにこだわらなくても大丈夫ですので、柔軟に対応しましょう。
子どもは、親に受け入れてもらい愛情を受けて、「自分は大切にされている」と感じ、親との信頼関係を育み成長していきます。この信頼関係は、しつけだけでなく、将来にも良い影響を与えます。
仕事再開前に哺乳瓶の練習を始めてみる
部分的な卒乳はできそうだけど、預け先で哺乳瓶から飲んでくれるか不安という方も多いでしょう。
赤ちゃんは、授乳してくれる人が変わったり哺乳瓶であったりしても、お母さんが拍子抜けするくらいスムーズに飲めることが多いものです。
しかし、まれに哺乳瓶を受け付けない赤ちゃんがいることもたしかです。不安な方は、仕事が始まる数週間ほど前から哺乳瓶の練習を1日のうち1-2回行うといいでしょう。
その場合、お母さんが哺乳瓶で与えると飲まないことがあります。「母乳があるでしょ」と言わんばかりに、拒否することがありますので、お父さんかおじいちゃん、おばあちゃんに交代してもらえそうなら試してみましょう。
部分的な卒乳をしていると、自然に授乳回数が減ってくるため、卒乳や断乳を進めやすいというメリットがあります。「仕事を始めるために母乳を与えられないのは寂しい」という気持ちがある方は、試してみてください。
自分のペースに合わせて仕事と授乳ができるといいですね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 河井恵美)