助産師が伝えたい、乳腺炎の症状と対処法について

公開日: 2018年12月26日

最終更新日: 2026年2月19日

「おっぱいが張って痛い!乳腺炎かも!?」「乳腺炎になったら、授乳しない方がいい?」産後にそんな不安を持つ女性が多いのではないでしょうか。ここでは、乳腺炎の症状と対処法についてまとめました。

乳腺炎の症状は、熱感、痛み、腫れ。
赤ちゃんの飲み方も変わるかも!

乳腺炎は乳管(母乳が通るところ)、腺房(母乳を作るところ)、その周囲の組織といった「乳腺に炎症が起きている状態」です。産後3か月以内、特に産後2-3週間で起こることが多いと言われていますが、授乳期間中ならいつでも起こる可能性があります。症状としては乳房の熱感、痛み、腫れ、風邪のような全身の不調(発熱や倦怠感(だるさ))が出てきます。

これまで「乳管の詰まり」と思われていた症状は、実は「乳管の周囲が腫れる(炎症・浮腫)」ことで流れが悪くなっている状態だと考えられるようになりました。

乳腺炎で乳管が腫れていると、赤ちゃんが吸ってもいつも通りおっぱいが出てこないこともあります。すると、赤ちゃんが授乳中落ち着かなかったり、すぐに乳頭を離したり、噛んで怒ったりすることがあります。

なるべく早く解消したい乳腺炎。
その対処法についてご紹介します。

乳腺炎への対処法は、冷やす、痛み止めの使用、授乳の継続です

乳腺炎の対処法のポイントは、乳腺の炎症・浮腫を抑えることです。

また、過剰な母乳分泌が乳腺内の母乳のうっ滞や炎症を起こしやすくするため、母乳の分泌量を抑えてあげることも大切です。

具体的には、
・炎症による熱と痛みへの対処(氷、冷湿布、痛み止めの使用)
・乳房の深くまで押すようなマッサージは避け、皮膚を軽く撫でるだけにする(乳腺をこれ以上傷つけない)
・赤ちゃんの要望に応じた授乳をする(あえての頻回授乳や搾乳はしない)
・トラブルがある方の乳房から先に授乳したり、多く授乳したりしない(過度な母乳分泌を抑える)
といった方法で、炎症と浮腫を鎮めていきます。

もちろん、乳腺炎になっても授乳を続けて良いのですが、頻回の授乳や搾乳で過剰に刺激してしまうと、乳腺の浮腫が悪化して、痛み、腫れ、発赤が増加すると考えられています。

それだけではなく、赤ちゃんがお母さんに痛みを与えない吸着(浅い吸着)に慣れ、乳房から母乳を飲みとることがうまくできなくなったり、乳頭のトラブルにつながります。

乳腺炎の予防法は「正しい姿勢で、赤ちゃんにおっぱいを飲みとってもらうこと」

乳腺炎が起きている時に、乳頭にトラブルが起きて細菌が入り込んでしまうと、抗生剤による治療が必要な場合もあります。乳頭のトラブルを防ぐためには、正しい授乳姿勢が大切です。正しい授乳姿勢や飲ませ方は、こちらの記事をどうぞ
母乳育児Q&A(1)ちゃんとおっぱい飲めているのかな?上手な授乳の3つのポイント

乳首に傷ができてお困りの方は、こちらの記事をどうぞ
乳首に傷ができた!おっぱいをあげてもいいの?早く治すには?

いかがでしたか?乳腺炎の見分け方と対処法を知ることで、少しでも産後の不安が減るよう願っています!

<参考文献>
日本ラクテーション・コンサルタント協会、「乳腺炎」家族向けハンドアウト
・ABMプロトコル第36号 : 乳腺炎スペクトラム 2022改訂版

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

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