若い女性にも多い「多嚢胞性卵巣症候群」の症状とは

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

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多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)は、妊娠可能年齢の女性の5~8%に起こり、症状には月経不順、ニキビ、多毛などがあります。若い女性で頻度が高く、不妊の原因にもなる病気です。

多嚢胞性卵巣症候群では排卵障害が起こりやすい

多嚢胞性卵巣症候群では、女性ホルモンの異常や男性ホルモンの増加が起こります。そのため、排卵が上手くできなかったり、肥満や男性化の症状(ニキビや毛が濃くなる、脱毛など)が現れることがあります。血液検査やエコーをすることで診断ができ、治療を開始できます。

月経不順には低用量ピルが治療になる

治療では、低用量ピルなどの女性ホルモン剤で定期的に生理(消退出血)を起こし、子宮内膜が厚くなりすぎないようにします。そして、症状や状態に合わせて、高血糖を改善する薬や、男性ホルモンの働きを弱める薬を使用します。肥満がある場合、体重を減らすことも治療になります。

妊活時は排卵誘発剤や手術の相談を

多嚢胞性卵巣症候群は、排卵が上手くいかずに不妊の原因となることがあります。妊活をする場合は、排卵誘発剤を使ったり、腹腔鏡手術で処置をすることで妊娠率を高めることができます。

多嚢胞性卵巣症候群は、若い女性に多い疾患です。不妊の原因にもなります。月経不順、多毛、ニキビなどの症状で悩んでいる場合、一度産婦人科の受診をお勧めします。

<参考文献>

日本内分泌学会. 多嚢胞性卵巣症候群.

小児慢性特定疾病情報センター. 多嚢胞性卵巣症候群.


さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

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(医師 柴田綾子

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