低用量ピルの副作用とその対処法

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

「ピルを飲んでみたいけれど、副作用が心配です。」というご相談を日常的に耳にします。漠然とした不安から、生理痛やPMSなどの症状を我慢している女性はすくなくありません。今回は低用量ピルの副作用とその対処法について、是非知っていただきたい内容をまとめました。

飲み始めの軽度な副作用は、一般的には数週間で自然におさまる

ピルの飲み始めに感じられる副作用としては、吐き気、眠気、頭痛、むくみなどが挙げられます。副作用には個人差があり、もちろん何も自覚されない方も少なくはありません。このような副作用は、一般的には飲み始めて数週間程度で改善される場合がほとんどです。そのため、飲み始めにこのような副作用を感じることがあっても、日常生活に支障がない程度であれば、内服を中断するのではなく、3か月程度は飲み続けてみることをお勧めします。

軽度な副作用は、正しい対処法で改善できる場合が多い

副作用にはいくつかの対処法があります。

1)飲む時間を変えてみる

日中の頭痛・吐き気・眠気などがある時は、内服時間を夜にすることで、副作用の強い時間を睡眠中にずらすことができる場合があります。

2)症状を緩和する薬を内服する

吐き気には制吐剤、頭痛には鎮痛薬、むくみには漢方薬などを内服することで、症状が軽くなる方もいらっしゃいます。

3)ピルの種類を変更する

同じ低用量ピルでも、含まれているホルモンの種類がすこしずつ異なります。ピルの種類を変更することで、副作用が軽くなる場合もあります。

血栓症が疑われる症状がある場合は、かかりつけ医にすみやかに相談を

上に挙げた以外にも様々な副作用を感じる方がいますが、その中で一番注意が必要なのが血栓症です。激しい腹痛、激しい胸痛、激しい頭痛、息がしにくい/呼吸時の痛み、目の見えにくさ、舌のもつれ、けいれん、意識障害、ふくらはぎの痛みなどがある場合は、血栓症の可能性があるため、すみやかにかかりつけ医に相談か救急受診が必要です。

どのような副作用がどれくらい続くのか、そして対処法があるということを知ることで、ピル内服に対する漠然とした不安が改善されることも多くあります。副作用に悩まされている場合なども、いきなり内服を中断するのではなく、対処法について産婦人科医師に相談してみてくださいね。

<参考文献・ウェブサイト>

National Health Service. Combined pill -Your contraception guide-.

産婦人科オンラインジャーナル. 低用量経口避妊薬(ピル)ってどういうもの?

女性の健康推進室ヘルスケアラボ. Q40.「ピルの服用について不安があるのですが詳しく教えてください。」

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(産婦人科医 青栁百合

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